変わりつつある姿が見え始めた名古屋

記:1999.5.9

 名古屋を含めた中部地区は、常滑沖海上に2005年に開港を目指す中部新国際空港の建設、第二東名・名阪自動車道名古屋都市センターの整備計画、2005年に瀬戸市で開催される愛知万博などの大プロジェクトを背景に、大型複合施設の建設計画・オープンが目白押しで、流通、運輸業界を巻き込んで大きく変わろうとしています。

 すでに名古屋駅上には、JRセントラルタワーズが昨年(1998年)12月に上棟され、建物はでき上がっており、来年(2000年)4月のオープンを待つばかりとなっています。ここには、高島屋、東急ハンズ、ホテル、オフィスなどが入ります。商業施設は、東京・新宿にある高島屋・タイムズスクエアと同様のイメージが予想されます。名古屋初出店となる高島屋の進出を受け、俗に名古屋で4M(松坂屋、名鉄、三越、丸栄)と呼ばれている百貨店、近鉄百貨店、西武パルコなどはリニューアル、増床、業態変更などが行われ、準備万全といった体制を整えつつあります。
 もう一つ姿を現わしているのが、1999年4月17日にオープンした名古屋ボストン美術館が入っている金山南ビルです。名古屋ボストン美術館の詳細につきましては、視察レポート「名古屋ボストン美術館」をご参照下さいませ。

 空が大きく開かれた偉大なる田舎というイメージが強かった名古屋もJRセントラルタワーズ、金山南ビルなどが建ち、21世紀に向け変わり始めた“名古屋の風景”が見えつつあります。そんな名古屋の風景を無の状態の戦災復興からのまちづくりを紹介する“まちづくり広場”が金山南ビルの名古屋都市センターの中にオープンしました。

 名古屋都市センターは、金山南ビルの11階〜14階に入っており、名古屋のまちづくりの歴史、これからのまちづくりを考える施設として、まちづくりに関する調査・研究や人材の育成などを主な業務としています。“まちづくり広場”は、11階にあり、戦後の復興に尽力した先人たちの功績をたたえるとともに、名古屋のまちづくりの歴史、未来の姿をビジュアル的にわかりやすく展示しています。一番上の画像は、床に上に張ってある名古屋市全体の巨大な航空写真を眺めている人達を写したものです。行った時は、視察団が訪れており、興味深く眺めている様子が伺えました。眺めるだけでは、物足りない方には、写真上を簡単に手で移動できる円筒形の「都市探索機」があり、写真上の見たいところに探索機を置けば、その街周辺の情報を取り出すこともできます。また、パソコンを使ってまちづくりを体験できるコーナーもあります。パソコン画面の指示に従って、街に電柱は必要かどうか、街路灯は洋風か和風か、街路樹はどんな種類がいいかなど次々と入力して思い通りの街をつくることができます。実際に行ってみましたが、街を移動するのに若干処理時間がかかりますが、パソコンに慣れている人には操作はいたって簡単です。パソコンが苦手な方でも、コンパニオンのお姉さんがわかりやすく教えてくれますので安心です。また、有料ですが、パソコン上で自分がつくりあげた街をカラープリントしてくれるサービスもあります。“まちづくり広場”は、開かれた空間として無料で入ることができ、ここからの名古屋市内、遠くの山々の眺めもなかなかいいです。
 また、12階には、まちづくりの専門図書館「まちづくりライブラリー」もあります。都市計画、都市開発、建築、交通などの図書をはじめ、全国の戦災復興に関する資料、主要都市の総合計画、都市計画概要などの行政資料、研究機関・シンクタンク等の調査研究報告書などが揃っています。閲覧・貸出には、カード登録が必要ですが、カード作成費用300円を払えば3年間利用可能です。今回、実際にカードを作成し、本を借りるとともに、図書館の中を見てきましたが、まちづくり関係の書籍・雑誌、ビデオなどがなかなか充実していました。インターネット上からでも、書籍の検索を行なうことができ、なおかつ予約もできます。名古屋都市センターのホームページは、“まちづくり”関連のホームページリンク集に紹介してあります。

 その他の名古屋の動きを見ていきますと、伏見にまもなく(5月15日から公演開始)劇団四季のミュージカル専用劇場(延べ床面積5200平方メートル、客席数1050席)がオープンします。今まで栄にあった劇場が借地契約が終了し、伏見に移転したかっこうです。伏見地区には、歌舞伎や芝居の御園座もありますので、劇団四季のミュージカル専用劇場のオープンで文化拠点としての意味合いが高まります。劇場の移転元の栄には、2002年秋の竣工を目指して複合施設を兼ね備えた栄公園の計画が進められています。あと栄地区では、三越と松坂屋が隣接地を買収しての増床(新館オープン)が計画されています。(三越が2005年予定、松坂屋は未定)
 名駅(名古屋駅)地区では、名古屋駅北側に高さ180メートルの高層オフィスと低層部に変電所などを加えた牛島地区再開発(2001年1期工事、2004年2期工事、2007年に完成)が計画されています。また、南側の旧国鉄笹島貨物跡地再開発は、JRと名鉄の新駅建設断念を受けて、右往左往してますが、今年度中には事業計画を決めて、2000年度には着工する方向で名古屋市は動いているようです。

 今までの名古屋と言えば、名古屋駅周辺と栄地区の2大拠点に人々が集中しましたが、徐々に面的な広がりを見せてきています。堅実な県民性のためか、大きな変化、突出した奇抜な施設はなかなか出てきませんが、逆にゆとりをもった余裕のふところの深さが感じられ、マイペースではありますが、着実に変わってきています。トヨタ自動車が他社がどんどん海外進出している時に、なかなか出ていかなかったのに、一旦海外進出を決めてしまうと怒涛の如く進出していったように、名古屋の街もこれから加速度的に変貌を遂げていくような気がいたします。

By Nagura

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