“安城風景づくり市民フォーラム’98”と
“21世紀の名古屋のひとづくり・まちづくり”
に参加して

記:1998.11.10

 1998年11月7日に愛知県安城市で行われた「安城風景づくり市民フォーラム’98」に参加してきまし安城風景づくりイメージた。副題「語ろう!魅力ある安城の風景づくり〜まちづくり・ゆめづくり・ひとづくり〜」というものです。会場には、用意された席がいっぱいになる80名近くの方が参加されていました。
 2幕構成で、第1幕は「地域の歴史や文化を活かした風景づくり」というテーマで早稲田大学理工学部教授の後藤春彦氏と郷土史家の神谷素光氏との対談が行われました。第2幕は、後藤氏と神谷氏に加え、地元安城市在住の主婦、建築家など4名の方が参加され、「市民が守り育む、魅力ある歴史風景」というテーマでセッションが行われました。
 安城風景づくり市民フォーラム’98は、安城市歴史博物館のエントランスホールで行われました。上の画像が、その模様を写したものです。逆光でうまく写っておりませんが、フォーラムのロケーションをお伝えしたいと敢えて載せた次第です。エントランスホールは、舞台側の奥が総ガラス張りになっており外の様子が一望できます。ちょうど、フォーラムを行っている時に、ちょっと画像からは見にくいですが、天気の良い土曜日の午後ということもあり、子供たちが遊んでいる様子が見られました。子供たちが元気に遊んでいる風景をバックに、次世代に伝えていく風景づくりについて話し合うのには、主催者側が意図したかどうかは分かりませんが、最高のロケーションではないかと感心した次第です。

 今回の安城風景づくり市民フォーラム’98は、私自身安城市に住んでいながら、けっこう地元の新しい発見があったとともに、住民ひとりひとりが思う地元での好きな風景にはいろいろあるのだなあと感心しました。
 ここからは、たいへんローカルな話になりますが、安城市はもともとは安城ケ原と呼ばれており、松林が生い茂っていたそうです。その松林が現在も昔の姿のままで残っているところが、安城市役所のすぐ近くにある安城公園内の松林だそうです。学生時代に、安城図書館が現在の場所に移る前に安城公園の近くにあったのですが、その時に松林をそんなことも知らずによく通ったことが思い出されました。帰りに思わず遠回りして、改めて安城公園内の松林を見てきましたが、郊外には田園が広がる安城市ですが市街地では残された緑といえます。
 安城市民が残したい・次世代へ伝えていきたい風景として挙げられていたのが、日本デンマークと呼ばれたこともありやはり“田園風景”でした。そして、“古墳”“城址”などが多くの人が挙げられていました。安城市には、古墳、城址が多いことに改めて気付きました。二子古墳、姫小川古墳、塚越古墳などの古墳、安祥城址、桜井城址、藤井城址、山崎城址などの城址があるそうです。あと残したい風景として挙がったのが、安城七夕まつり、北部小学校のなんじゃもんじゃ(ヒトツバタゴ)の木、休耕田を利用したコスモス畑、明治用水などです。北部小学校のなんじゃもんじゃ(ヒトツバタゴ)の木が挙げられた時は、何十年前に卒業した母校だけに懐かしく思いました。なんじゃもんじゃとは、白い花が咲く木のことです。この木は、私が小学校のころから有名だった木です。最近は行ったことがありませんが、木造校舎が鉄筋校舎に変わっても、このなんじゃもんじゃの木だけは変わっていないことと思います。

 今回のフォーラムは、安城市が「安城風景物語」という基本計画を作成したことを報告する意味もあり、昨年に引き続き行われたものです。私は、今回初めて参加しましたが、なかなか有意義でした。景観というのではなく、風景物語としたところに、人間がかかわる部分も大きく、なかなかいいタイトルと思います。
 皆様方にも心に残る風景がさぞかしあることと思います。そして、その風景は、映像としてイメージされる場合もあるでしょうし、音、匂いなどの感覚としてとらえていらっしゃる方もあると思います。それぞれひとりひとりが描いている“原風景”を次の世代に伝えていきたいものです。

 話は変わりますが、1998年11月8日に名古屋市の中区役所で行われました「21世紀の名古屋のひとづくり・まちづくり(名古屋新世紀計画2名古屋まちづくりイメージ010シンポジウム)」に参加してきました。会場には、200名近くの方がつめかけておりました。3時間近くにわたって、松原武久名古屋市長も加わって、名古屋大学名誉教授の樋口敬二氏、日本福祉大学助教授の後藤澄江氏、大阪ボランティア協会理事の早瀬昇氏、インド・ジャパン・トレード・センター会長のラリット・バクシー氏を交え、パネルディスカッションが行われました。

 このシンポジウムは、2番目の画像を見ていただきますとわかりますが、手話付きですべて行われました。内容的には、ボランティアと教育というテーマに視点が当てられパネルディスカッションが進められました。
 ボランティアに関しては、阪神大震災においてボランティア活動をされた早瀬氏が、ボランティアの悪循環サイクルという話をされました。そのサイクルとは、ボランティアだからやりたい時にやって辞めたい時に辞めていくという非難の声が被災者側からでた時に、無理をしてボランティア活動をすることにより、疲れがでてくる、そして疲れが出てくると休まざるを得ない、しかし休むとまた辞めたい時に辞めていくという非難の声がでてくる、だからまた無理をするという悪循環サイクルを繰り返すというものです。早瀬氏がある時、ボランティアをやっている人に聞いた時、その人が悪循環サイクルの3周目ですと笑うに笑えない答えを言われたそうです。
 教育に関しては、1学級の人数をもっと減らすべきとか具体的な話も出ましたが、“教える人”から“伝える人”に変えていき、まず伝える人を育てる環境を整える必要があるという方向性にまとまっていきました。また、社会性のある子供を育てるには、まず親育てから必要という意見も出されました。

 まちづくりと一口に言っても、今回討議されたボランティア、教育問題を取り上げただけでも難題を多く抱えており、おのおの問題を推進していく人を育てていくだけでもかなりの時間が要すると改めて実感した次第です。

 最後に「まちづくり交流フォーラム」の情報を載せておきます。まちづくり交流フォーラムは、まちづくりを都市工学などのハード面に限定せずに、環境・福祉・教育・文化といったソフト面にも視野を広げ、新たな文化、新たなコミュニティの創造をめざし21世紀におけるまちづくりを討論する研究集会です。3年計画で、第1回目が1998年11月29日に名古屋市公会堂(10時〜17時:参加費は2,000円)で開かれます。午前中が基調報告で、午後が各分科会に分かれます。興味のございます方はご参加されたらと思います。私も参加する予定ですので、フォーラムの様子はまたコラムにてご報告したいと思っております。ちなみに午後の分科会は、「中心市街地の活性化を考える」を選択しております。

By Nagura

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