講演「成長企業・繁盛店の生きた声」を聞いて

記:1998.10.10

 1998年10月9日(金)に愛知県豊橋商工会議所で行われました平成大不況に伸びている企業はここが違う!!〜顧客満足徹底研究ディスカッション〜「成長企業・繁盛店の生きた声」のセミナーを聞いて参りました。セミナーは、顧客満足セミナーイメージの事例研究講演会、伸びている企業3社をパネラーとして迎えてのパネルディスカッション、ティーパーティー形式の異業種交流意見交換会の3部構成で5時間近くにわたって行われました。
 会場には、60名近くの方が詰めかけていました。女性の方は少数でほとんどが男性でしたが、30代、40代の若手経営者の姿がけっこう目につきました。ティーパーティーの時に多くの方と話させていただきましたが、豊橋近辺の方が多く豊橋の活力が感じられました。商業都市と呼ばれる豊橋だけあり、ユニークな試みをされている経営者の方が多かったです。

 1部の講演会は以前コラムにおいて載せました講演「顧客満足(CS)研究講座」を聞いて(1998.7.12)の時にも紹介しました(株)モア経営研究所所長の日野眞明氏がされました。日野氏は先月アメリカに視察に行ったばかりでホッとな話題が聞けました。話された中のキーワードをすこし記載しますと、アメリカ流通の現状として返品返金、価格保証、顧客満足などを挙げられ、注目企業として、ノードストロームバーンズ&ノーブル、スチューレオナード、スターバックスコーヒー、エンバシースイートホテル、オフィスデポ、オフィスマックスなどを挙げられました。また、今後日本に進出が予想される企業として、イケアベットバス&ビヨンドクレート&バレルホームデポなどを挙げられました。
 ざっと多くの店の名前を出しましたが、最近では日本に進出している外資もありますし、雑誌・書籍などでよく取り上げられているので、どこかで聞いたことがあると思われた方も多いのではないでしょうか。講演の中で日野氏もおっしゃられていましたが、一つ一つの店ではなく業種・業態で見ていくと大きな流れが見えてきます。これから日本に進出が予想されている企業の多くが家具、インテリアなどを扱った店舗です。今、ガーデニングがブームになっていることからも伺えると思いますが、これから住・生活関連の店舗が国内外の企業を巻き込んで熾烈な争いが予想されます。

 少し話が逸れますが、今回、豊橋へ名鉄を利用して行ったこともあり、グランドオープンした豊橋駅を見ることができました。視察レポートで以前豊橋駅を取り上げましたが、その時はペデストリアンデッキがまだ整備中でしたが、今回行った時はすべて完成しており、夜きれいにイルミネーションされた堤灯風の照明が何とも風情が感じられました。豊橋には、親戚があり小さい頃からよく訪れていたこともあり、落ち着く場所の一つです。市電、豊橋鉄道などの乗り継ぎの利便性など含め駅そのものは本当に見違えるようにきれいになりましたが、ペデストリアンデッキからの眺める駅前の風景は、20数年前とあまり変わっていないように感じます。駅周辺には、駅前の昔から変わっていない区画、旧市民病院の跡地など再開発可能なところが他の駅周辺に比べ多く残っています。市電の延長、新駅ビルの完成の勢いに乗ってこれから再開発が進んでいきそうな予感がいたします。10年〜15年後には、今の姿から想像もできないような姿となっていることでしょう。

 最後に今回の目玉でもあるパネルディスカッションについて述べます。コーディネーターは講演をされた日野氏が努められ、パネラーとして豊橋を拠点にコンタクトレンズ販売をされている(株)アイメディカルシステムの長谷川典史氏、広島でオフィスデポと提携するなど精力的に取り組んでいる印刷業界の(株)文華堂の伊東由美子氏、岡崎に本店を構え三河地区で多店舗展開している印章業界の(株)一心堂印房の神道邦男氏が招かれました。
 話は、企業理念という根底の部分から進められ、3社に共通していることは、企業としてのしっかりしたポリシーというか価値観をもっていることです。この3社は、多くの企業が減益で苦しんでいる中、昨対比105%〜115%の売り上げを伸ばしている企業です。
 セミナーのタイトルは「平成大不況に伸びている企業はここが違う!!」と掲げていますが、果たしてどこが違うのでしょうか。その答えは、大それた答えではなく、日頃から私たちが耳にする「お客様の声を素直に聞いている」ということです。パネルディスカッションの中でそれぞれの社長(取締役)が、自社の取り組み、考え方などを情熱をもって語っていただけました。

 パネラー各社のお客様の声を素直に聞いて商売にしっかり反映しているひとつひとつの事例については、省略しますが、3社に共通する考え方を座り読みOKで有名なアメリカの書店「バーンズ&ノーブル」を例にとって紹介します。
 バーンズ&ノーブルは、通路の所々にイス、ソファー、机などが置かれており、また書店内にはコーヒーショップもあり、そこでまだ購入していない本をゆっくりと吟味することができます。ここで考えて頂きたいのが、なぜ座り読みの試みを始めたかです。単なる客寄せのためでしょうか。それとも皆様方も経験されていることと思いますが、どうしても高価な本を購入する場合は、じっくりと吟味するため立っているのが辛くなることがあると思います。バーンズ&ノーブルは、後者のじっくりと吟味するお客さんの立場になって喜んでいただけるように座り読みを始めました。ここが重要な点です。

 今、日本でも座り読みのできる書店が増えてきていますが、目に見えるサービスが、たとえ同じように見えたとしても、そのサービスを展開していく上での考え方、着眼点がしっかり定まっていないと、お客さんはそれを簡単に見破ってしまいます。今回、パネラー3社の伸びている要素をひとつひとつ見ていきますと、結局は行き着くところは企業理念となってきます。
 そして、もうひとつ付け加えておきますと、セミナー後にパネラーの方と酒を囲んで話させていただきましたが、社長自身が魅力的ことです。

By Nagura

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