“地震への備え”は大丈夫ですか!

記:1998.9.1

 9月1日は「防災の日」です。75年前の今日の正午に14万人以上の死者を出した関東大震災が起防災イメージこりました。防災の日にあわせて行われた学校、職場などの防災(避難)訓練に参加なされた方も多いのではないでしょうか。

 避難場所、避難経路などは頭に入っていらっしゃいますでしょうか。また、家屋の耐震性強化、寝室等の各部屋における家具、テレビなどの落下防止、備蓄食料などいざとという時の備えは万全でしょうか。今一度、忘れたころにやって来る天災への備えを「防災の日」にあわせて、チェック、見直しされることをお勧めいたします。私も、防災の日の9月1日と阪神大震災の起こった1月17日に防災に関するコラムを書きながら、再認識・チェックを図っている次第です。喉元過ぎれば・・・というように、我々人間は、起こったことをとかく忘れがちですが、機会をつくっては再認識を図っていくことが必要でしょう。今までに、何度も述べており繰り返しになりますが、一番大切なことは「自分の身は自分で守る」という心構えであり、常日頃からの備えです。

 地震そのものも恐いのですが、地震に伴い発生する津波もまた大惨事をもたらします。まだ皆さんの記憶に新しいことと思いますが、パプアニューギニア沖で発生した地震により大津波が島に押し寄せ、村そのものをさらっていきました。自然の脅威をまざまざと見せつけられました。地震そのもの大きさに比べて、予想以上の大津波が発生したということで、発生時は専門家が何人も現地に調査入りしました。
 津波は、地震の規模が大きいから、また強い揺れがあったからといって、必ずしも大きな津波が発生するとは限らないところに難しさがあります。海底でプレートの上に泥等が堆積していると地震が起こった際、ゆっくり隆起して最後に跳ね上がるため、人が感じる揺れは小さくても、海面の跳ね上がり大きく大津波が発生します。海水浴、釣り、サーフィンなどで海岸線におられて、地震が発生した場合は、どんな揺れが小さな地震でも、念のため一早く高台の方へ逃げて下さい。

 NTTが1998年3月から提供体制を整えた新サービス「災害用伝言ダイヤル」をご存じでしょうか。このサービスは、阪神大震災で被災地への通信回線が集中・混乱状態となり、家族・知人の安否確認が困難になった経験を踏まえて新設したものです。災害用伝言ダイヤルは、震度6弱以上の大地震又は大きな自然災害が発生した時に利用できます。手順としては被災者が“171”をダイヤルし音声案内に従って操作し、伝言を受話器の送話口から録音します。そして、安否を確認したい家族側が、同様に音声案内に従って操作することにより伝言を聞くことができるというものです。伝言の登録・再生操作の時、被災者の電話番号が一種のパスワードとして機能し、伝言は1件30秒以内となっています。災害用伝言ダイヤルは、「忘れて171(イナイ)」と覚えるといいようです。

 最近では、老朽化した街路灯やアーケードの撤去、建て替えに伴って、商店街においても防災対策を施すところが増えてきています。停電しても30分〜1時間は光り続ける蓄電機能を持った照明、アーケードの支柱の太さを現在の約2倍にする強度アップ、アーケードの支柱に消火器を収納するなどの防災対策が進められています。
 また、自治体、警察、民間組織などの間のネットワーク(協定締結)づくりも広がってきています。全国の道路をくまなくカバーする郵便配達のネットワークを利用したり、自治体が防災関係機関以外のボランティア団体と幅広く協定を結ぶなどきめ細かい対応ができる体制が整いつつあります。

 8月7日から続いている長野・岐阜県境(上高地付近から槍ケ岳付近にかけて)の群発地震の活動が、一時小康状態になっていましたが8月26日深夜あたりからまた活発化しつつあります。長野・岐阜県境は、糸魚川−静岡構造線に沿った地域で、過去には乗鞍岳、立山付近など、今回の南側や北側でも群発地震が起きています。上高地付近では、1969年と1990年などにも半月から1カ月程度続く地震活動が起きています。しかし、今回の特徴はマグニチュード4を超える地震がこれまでより多く、活動範囲も上高地付近だけでなく岐阜県内へと拡大しています。また、この地域は、山間部が多いだけに雨で地盤が緩んでいることもあり、地震による山崩れなどの注意も必要になってきます。
 以前私もスキーに行ったことのある奥飛騨温泉郷の一番奥にある新穂高温泉では、8月16日未明の地震により旅館の露天風呂や駐車場の車が落石で壊れたりと大変だったようです。長野県と岐阜県を結ぶ安房トンネルも開通し、これから秋の観光シーズンを迎えようとしており、長期化すればかなりの打撃も予想され地元では不安が広がっています。
 過去の例から、穏やかな時期と活発な時期が繰り返され、有感地震の間隔が長くなれば終息に向かうそうです。一日も早く終息していって欲しいものです。

 気象庁では、「大地震発生、10秒後に大きな揺れがやって来ます」という新しい地震情報の提供を目指し、来年度の概算要求に調査費1,000万円を盛り込んでいます。地震の際には、小さな揺れをもたらす地震波のP波が来てから、しばらく後に大きな揺れをもたらす地震波S波がきます。P波は秒速5〜7キロ、S波は秒速3〜4キロで、震源からの距離が遠いほど、P波からS波までの時間の差が大きくなります。この地震波の伝わる時間差を利用しようとするのが今回の試みです。95年に発生した阪神大震災(震度7)における時間差をみると、直下型地震で震源が都市部に近いということもあり、神戸で3秒(大阪で約10秒、京都で約20秒)となっています。93年の釧路沖地震(震度6)の場合で、釧路で約11秒ありました。震源が沖合いにあり海底地震計がキャッチすれば、震源から200キロ離れた地点で40秒ほどの余裕はできるそうです。情報伝達の手段としては、ラジオ、テレビ、ポケットベルなどが考えられているようです。
 このシステムを使ったとしても、命(生死)にかかわるような大地震の場合は、数秒から10数秒と思われます。わずか10秒間で何ができるか思われる方もいるでしょうが、10秒あればかなりのことができます。火の消したり、家のドア、窓を開けたり、家の中でも比較的安全な場所に逃げたりできますし、新幹線、高速道路を走っている車など減速、停止も可能です。こうしたちょっとした行動が、生きのびれるかどうかを決めますし、被害の軽減にもつながっていきます。いざという時のため、10秒間にやるべきこと、やれることを個々人が常にイメージトレーニングしておくことが大切でしょう。
 また、地震直前(2〜3秒前くらい)に地鳴りのような音を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。私も今までに聞いたことがありますが、“地震が来るな”と察して窓をすかさず開けた経験があります。幸運にも、これまで生死にかかわる地震には遭遇していませんが・・・。

 これから台風のシーズンをむかえますが、まずは身近な懐中電灯の電池交換などから始めてみられてはいかがでしょうか。意外と調べてみると、だいぶ暗くなっているものや灯かなくなっているものも見つかることと思います。
 また、地震についての必要最低限の備え(知識)については、「地震一口メモ」に載せてありますので、一度ご覧いただきたく思います。

By Nagura

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