講演「顧客満足(CS)研究講座」を聞いて

記:1998.7.12

 1998年7月10日に愛知県岡崎商工会議所で行われました「顧客満足(CS)研究講座」の講演をセミナー模様イメージ聞いて参りました。岡崎商工会議所の主催で約2時間にわたって行われ、「よりよい顧客満足とは何か」という点に絞り込んだ内容の講演でした。50名近くの方が参加されており、ほぼ会場いっぱいの状態でした。

 数年前に、まだ私がサラリーマン時代のことですが、部下を率いて顧客満足(CS)活動・展開を行ったことが思い出されました。その頃は、まだ顧客満足(CS)という言葉があまり一般化されていなく、手探り状態のような感じで表面的な取り組みだったという点も否めませんでした。当時、顧客満足の取り組みをしていく中で、しっかり顧客満足となっているのだろうか、それとも自社の取り組みにおける単なる自己満足になってはいないだろうかといろいろと考えたものです。
 しかし、最近は消費者の見る目も厳しくなり、消費者の質も向上してきており、本格的というか魂がしっかり入れられた顧客満足(CS)への取り組みが行われるようになってきたと感じます。

 前置きが長くなってしまいましたが、今回の講演の講師は、(株)モア経営研究所所長の日野眞明氏がされました。日野氏は、流通・サービス業を専門とされ、業績アップ、販売促進、企業内組織活性化、戦略策定など総合的な経営コンサルティング活動をされており、東海地区No.1として聞こえが高いコンサルタントです。また、各種セミナー、講演、論文執筆などにも幅広く精力的に活動されています。講師の日野氏とは、以前ある勉強会でご一緒したことがあります。

 講演の大きな流れは、アメリカにおける繁盛店・成長企業から「顧客満足(CS)」の取り組み姿勢を学びとろう(研究する)というものです。満足のモノサシは「価格」から「価値」へ、顧客への満足保証は「宣言すること」が大切、目に見えるサービスの根底を流れる「創業精神・企業理念・思想」が重要などについて、アメリカの事例を交えながらわかりやすく解説されました。講演の中では、アメリカの繁盛店・成長企業としてノードストローム、スチューレオナード、バーンズ&ノーブルエンバシースウィートホテルの4つが取り上げられ、日野氏が実際に体感されてきた顧客満足のポイントなども紹介されました。
 講演の中で特に強く言われたのが、手法(目に見えるサービス)にこだわることなく、根底を流れる創業精神・企業理念をしっかり見ることが大切という点です。また、日野氏自身が、先月にニューヨーク、ロサンゼルスの各店舗を視察してきたばかりということもあり、ホットな情報もいろいろと聞けました。

 全体を通して話もわかりやすく、繁盛店からのエッセンスというか切り口がたいへん素晴しく、またドリンクも付いて満足のいく講演内容でした。最も大切なことは、講座を受けた商店主、企業の方々が、今回聞いた内容を如何に自分のお店、会社に生かしていくかということですが。今回の講座内容についてのお問い合わせ、質問票のFAX用紙も付いており、さすが「顧客満足研究講座」ならではのアフターケアというか顧客満足が実践されていると感じました。
 また、自分自身がこれから会社を設立していくにあたって、事業の根底に流れるもの、創業精神などいろいろと考えさせられることもあり参考になりました。

 ここで、最近私が読んだ顧客満足(CS)関連の書籍の中で、けっこう読み応えがあった2冊を少し紹介します。それは、松村清著の「ロイヤルカスタマー」と石原靖曠著の「ホームデポ」です。
 松村清著の「ロイヤルカスタマー」は、アメリカの繁盛店(スチューレオナード、ノードストローム、ウォルグリーン、ホームデポ、ターゲット、スターバックスなど)の事例をふんだんに取り入れ、ロイヤルカスタマーづくりの段階をおった具体的な記述がされています。優れた企業理念、従業員への満足がロイヤルカスタマーをつくると締めくくっています。
 石原靖曠著の「ホームデポ」は、創業わずか10年で全米No.1になったホームセンターの企業カルチャー、人づくり、商品戦略、出店戦略、サービス機能などがわかりやすく解説されています。その中でも顧客満足に大きく関与する人間の持っている知恵や創造性、個性などの知的資源を最大に活用して成果を上げていく経営が具体的に示されています。
 以上の2冊ご紹介させていただきましたが、時間等ございましたら一度お読みになられてはと思います。

 また少し余談になりますが、講演の帰りに東岡崎駅(名鉄)ビルに昔からある「岡ビル百貨店」と駅向かえにある「ユニー」を少し覗いてきました。東岡崎駅を利用するのは数十年ぶりで、岡ビル百貨店、ユニーを訪れたのは20数年ぶりでした。小学生の時に、岡崎で行われたそろばんの試験で東岡崎駅をよく利用しており、岡ビル百貨店、ユニーなどは、その帰りの遊び場となっていました。あれから20数年以上経っていますが、岡ビル百貨店、ユニー共にそんなに変わっていなく昔の面影が十分残っていました。変わったところと言えば、今の時代の流れを象徴しているようなユニーの5階フロアに「100円ショップ」が出ていたり、岡ビル百貨店の改札口フロアレベルのところに惣菜や野菜などを並べた店舗が出ていたりした点です。
 先月にも岡崎商工会議所で開かれました「まちの活性化と商業ルネサンス」の講演を聞いてきましたが、その時は車で行きました。今回は、たまたまその後に名古屋で用事があったため、公共機関を利用した次第です。
 また、東岡崎駅から岡崎商工会議所まで、駅裏の小山を越えて直線的に最短距離を歩いていったのですが、20数分程で着くことができました。岡崎商工会議所は、ジャスコ岡崎南店近くにあるのですが、駅裏の小山を登っていき、岡崎高校の横をかすめるように歩いて行けば、それほど遠くなく、ほどよい運動量です。岡崎商工会議所へ行かれる機会がございましたら、一度試してみてはいかがでしょうか。実はこの道も20数年前にそろばんの試験(附属中学校が会場の時)の時によく通った道です。駅裏周辺は、道路も広くなり店舗・施設等いろいろ出来ていましたが、少し歩いて上り坂あたりになると、20数年前とあまり変わっていなかったです。

 最後に日本小売業協会の生活者委員会の「買い物に関するアンケート調査」(サンプル数1017件、1998年4月報告)のデータを紹介します。小売業全体における消費者の買い物に関する不満点の項目を見ますと、「接客態度」に対する不満が最も多く、次いで「品揃え」「価格」「商品の鮮度」「係員の専門知識」「営業時間」の順となっています。業態ごとに見ますと、百貨店は「接客態度」「価格」「営業時間」の順、スーパーは「商品の鮮度」「品揃え」「接客態度」の順、コンビニは「品揃え」「接客態度」「価格」の順となっています。

 どの業態においても「接客態度」が上位に入っています。お客さまは接客態度含めそのお店全体をしっかりと見ています。最近は、地方(田舎)へ行ってもたいへんきれいで大きい店舗が多く見受けられますが、接客態度もそれに伴って良くなっているのでしょうか。
 今一度原点に立ち返ってお客さまの立場に立った真心のこもった気持ちのよい接客態度が求められています。政治(1998年7月12日の参院選では自民党が大敗)同様にごまかしの利かない時代を迎えています。

By Nagura

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