「職」をとりまく環境  

女性記:1997.4.27

 近年、労働形態が大きく変わってきています。ひとつの会社に新卒採用として入社し、定年まで勤めるといういわゆる日本独特の伝統的な終身雇用制という概念も崩れつつあります。働き手である労働者の価値観の多様化が進み、拍車をかけている面もありますが、企業サイドも事業採算性、事業形態、国際性等から崩さざるを得ない状況にあるともいえます。

 売り手市場、買い手市場という言葉が、もてはやされた時もありましたが、今は一概にどちらかはっきり区分するのは難しい、不透明な時代ではないでしょうか。働くサイドの一人ひとりがしっかりした価値観を求められている時代になりつつあります。個人にとっては、より厳しい世の中になっていきます。

 今年、大学新卒で派遣社員になる新卒派遣という形態が企業でもてはやされました。また、通常の派遣、契約社員といった正社員としてではない形態の働き方も多くなっています。

 こういった就業形態で働く側は、バブルがはじけ、就職状況も厳しい世の中の反映を受けてとりあえず働くとか、正社員として入社できなかったため契約社員から始めるとか、派遣社員として専門的な技術を武器に会社を渡り歩きキャリアアップを目指すなど様々な背景があるようです。

 しかしこういった働き方は、今現在のところ日本社会、特に日本企業には十分な理解はできていないのと、そのための体制がまだまだそろっていないのが現状でしょう。企業の中には、人件費削減、雇用調整などの面が見え隠れする面もあり、もう一歩進んだ人材(人財)としてしっかり認識する段階になって初めて、働き手、企業サイドがうまく相互に活用した相乗効果が出てくる時代がきます。

 現状における働き手個人の立場の心得としては、本当にキャリアアップとなる業務内容なのか、契約社員として働けば正社員への道はあるのか、派遣先を解雇された場合の給与保証の面とか、などしっかり把握しておくことが大切です。まだまだ、このような就業形態をバックアップする機関が少ない状態においてはそれなりの武装は必要でしょう。

 さまざまな就業形態の人材(人財)を本当の意味で有効に生かせる時代はもうそこまで来ていると思います。逆にそのような時代にもっていかなければ、日本は、世界から取り残されていってしまいます。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ