街おこしか、街こわしか、紙一重  

記:1997.4.13

 日本各地で、商店街の衰退が進んでいます。駅前周辺、街の中心部、住宅地等における商店街が衰退傾向にあります。一時、大型店を取り込んで成功をおさめた地域においても、大型ギフト店の撤退により今後の対応に負われているところもあります。

 流れとしては、郊外の大型店進出が目立っており、今や国内の量販店、スーパーのみならず、大手外資系大手チェーンなども進出してきています。この流れは消費者動向をも巻き込んだものであり、消費者が望んでいる便利さ、買いやすさなどを満足させるものでもあります。よって、既存の商店街の一般商店主がこの流れに真っ向から逆らって勝てるものではありません。しかし、この流れがこのまま永遠に続くことはないと思えます。消費者サイドも日々変化しています。その兆候はアメリカにおいても出てきています。いま中小小売店(商店街)が考えなければいけないのは、本当に必要なものは何か、残していかなければいけないものは何かを真剣に周りの動向を見ながら、頭を捻ることです。

 大手スーパーの中には、出店にあたり地域への貢献、活性化等のポリシーをしっかりもった上で進出しているところもあります。今のところ、そのスーパーは他社に比べ順調に伸びています。しかし、地域貢献における本当の結果が出るにはもう少し時間を必要とします。

 こう考えてきますと、郊外大型店の進出は、街の活性化につながる街おこしか、それとも、街の文化、人情的雰囲気などをなくしてしまう街こわしなのか、さじ加減ひとつでどちらに転んでもおかしくない現状にあると言えます。今こそまさにこの起点にたった議論が必要な時にきています。

 最後に日本へ流通規制の撤廃を求めているアメリカにおける大型店出店に反対する動きについて記載します。地域住民も反対側に参加している点が注目されます。この動きの発端となったのは、1996年12月にニューヨーク州控訴裁判所がトイザラスのマンハッタンの住宅地区に進出する計画に対し敗訴をだしたことです。近隣コミュニティーから「大型店舗の開店は良好な住環境の破壊につながる」という反対運動が起きたのがきっかけでした。また、サマチューセッツ州ナンタケットでも、大型スーパー進出計画に対し、住民と地元商店街が反対しています。その主張は、小説「白鯨」の舞台となった小さな島の町、小石で舗装され、ガス灯(電気)が並び、日用雑貨を売る店の隣にしゃれたアンティークショップがあるような歴史的雰囲気の残る商店街が、大型スーパーの進出で荒廃するのは受け入れられないというものです。

大 型 店 舗 参 考 デ ー タ

 96年度の大規模小売店舗法3条に基づく出店届け出件数は、全国で第1種が419件、第2種が1,685件の過去最高となりました。中でも愛知県が第1種が21件、第2種が105件と最も多く、東京、大阪も過去最高を記録しました。傾向としては、大都市圏の地価下落を背景に工場の跡地開発や市街地再開発が活発になり、バブル期に地方都市へシフトした大型店を呼び戻す形となっています。

注)(第1種:3,000F以上、第2種500F超〜3,000F未満、また、特別区、政令市は第1種:6,000F以上、第2種500F超〜6,000F未満)

By Nagura

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