キャリアカウンセラーという資格取得に向けて

 記:2007.5.13

 キャリアカウンセラーという資格をご存知でしょうか。キャリア(career)を辞書で引きますと「経歴・経験」「職業、特キャリアカウンセラーイメージ図に専門的な知識や技術を要する職業に就いていること」「日本の中央官庁で、国家公務員試験一種合格者である者の俗称」などでてきます。キャリアを使った用語をみると、キャリアカウンセラー以外で、「キャリアウーマン」「キャリア教育」「キャリアデザイン」「キャリアセンター」「キャリアアップ留学」などの言葉が出てきます。

 カウンセラー(counselor)を辞書で引きますと「臨床心理学などを修め、個人の各種の悩みや心理的な相談に応じ、解決のための援助・助言をする専門家」と書いてあります。カウンセラーを使った用語をみると、キャリアカウンセラー以外で、「心理カウンセラー」「産業カウンセラー」「環境カウンセラー」「教育カウンセラー」などの言葉が出てきます。

 カウンセラーにもいろいろな分野があり、キャリアカウンセラーのおおまかなイメージをつかめたのではないでしょうか。キャリアカウンセラーは、個人の興味、能力、価値観、その他の特性をもとに、個人にとって望ましいキャリアの選択・開発を支援するキャリア形成の専門家です。学校での進路指導や社会人の転職・求職時の相談にあたります。具体的には、自分はどんな仕事に向いているのか、今の職場で自分は評価されていないのではないか、このような仕事に関わる相談を受け、適正・適職の発見など、課題・悩みの解決へと導きます。

 キャリアカウンセラーがどんなところで必要とされているか、活躍していくのか見ていきます。大きく「企業の中でのキャリア形成」「教育的分野」「行政機関の雇用対策事業」「人材紹介・派遣会社のコンサルタント」に分けられます。「企業の中でのキャリア形成」では、企業の人事担当者がキャリアカウンセラー資格を取得するケースも見られます。また、一定規模以上の企業では、キャリアカウンセラー室が設置され、その中で働くキャリアカウンセラーもいます。

 教育的分野では、大学・短大や各種専門学校において、学生の就職活動の支援にあたる方が、専門的な知識技能を身につけるためにキャリアカウンセラー資格を取得するというケースが見られます。これらの方々が中心となって学生向けのキャリア教育が行われています。行政機関の雇用対策事業では、国や各自治体がさまざまな雇用対策を実施しており、その中で、中高年の再就職を支援したり、若者が仕事に就けるようなお手伝いをするなど、キャリアカウンセラーは重要な役割を果たしています。人材紹介・派遣会社のコンサルタントでは、雇用環境が好転し転職市場が活況を呈す中、人と仕事の真の橋渡しができる専門性をもったキャリアカウンセラーが求められています。

 私自身は、まちづくりという仕事に関わっている中で、ありとあらゆることの相談が舞い込んできます。商店街と学生(大学)との連携における“商学連携”をベースに中心市街地の活性化なり、まちの活性化に携わっておりますが、これまでに、学生からの就職相談なり、社会人からの転職相談などもありました。まちづくりの仕事を続けていく中で、大学における“キャリア教育”のサポートの依頼もあり、今回、紹介しています“キャリアカウンセラー”という資格に興味をもった次第です。

 自分自身が学生の頃、手取り足取り就職支援をしてもらったような記憶はなく、ゼミの先生に少し相談したくらいで、自分なりのスタイルでやってきたように思います。それを思うと、現在は、どこの大学も就職支援を行う就職課なりキャリア開発課、キャリアセンターなどが懇切丁寧に対応しています。いたれりつくせりで、いい時代だなあと思いますが、それを活用する側の学生の資質も同時に問われていると言えます。

 キャリアカウンセラーという資格が重宝されるようになった時代背景を少し見ていきます。学生への就職支援の背景には、少子化に伴い、学生確保が困難になり、大学間競争に勝ち抜くための意味合いもあります。広く社会人の転職含めた日本のみならず世界的な状況をみますと、「少子高齢化」とともに「経済のグローバル化」と「社会の変化の加速化」などが挙げられます。三角合併が解禁されましたが、資本が国境を越えて移動する時代となり、労働市場も流動化しており、人の移動(転職)が今までにも増して激しくなりつつあります。社会の変化では、働き方の多様化、女性の社会参加、ネットを活用した遠隔勤務など多様性が出てきています。

 それでは、キャリアカウンセラー取得までの流れをみていきます。まず、キャリアカウンセラーの試験を受ける前に、「通信教育コース」と「通学コース」を受講する必要があります。通信教育コースでは、キャリアカウンセラーに必要な基礎知識を習得します。6冊のテキストを受講期間の3カ月間で学び、その間に添削課題を3回提出し、平均点が60点以上で修了となります。通学コースでは、演習やグループワークを通してキャリアカウンセラーとしての必要な能力を身につけます。1日あたり9時から18時30分までを8日間受講します。出席率80%以上かつ修了試験60%以上で修了となります。費用は、通信教育コースが34,650円、通学コースが249,900円(2007年5月現在)かかります。

 通信と通学の両講座を修了して、ようやく試験を受けることができます。ただし、講座の修了とともに、業種・職種は問いませんが職業経験(5年以上、短大・専門学校卒業以上は3年以上)が必要です。さらに、講座修了後、5年以内である必要があります。試験は、1次試験(筆記)と2次試験(実技)があります。試験は、年に3回あり、1次試験は2月、6月、10月、2次試験は、4月、8月、12月となっています。受験料は、1次試験が15,750円、2次試験が21,000円(2007年5月現在)となっています。

 当方は、現在、通信教育コースを終えたばかりで、6月から通学コースを受講予定で、早くて10月の受験が可能といったところです。今回のコラムでは、キャリアカウンセラーについて見てきました。最後に、キャリアカウンセラーの心構えというか姿勢を述べます。キャリアカウンセラーは、あくまで援助者にすぎなく、意思決定するのは、相談者(クライエント)自身にほかならないということです。

 相談される方の中には、キャリアカウンセラーに自分の疑問にすぐに答えて欲しいと思っている方も少なくないと思いますが、そのような場面でこそ、キャリアカウンセラーとしての資質、技能が問われるのだろうと思います。そのためには、相談者側の相談を受ける際の心得も求められ、最終的には自らの選択と意思決定をすることを伝えておく必要があります。人を相手に行うだけに、何とも奥深い仕事が“キャリアカウンセラー”と言えます。

By Nagura

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