国立新美術館&東京都美術館
オルセー美術館展を観覧して

 記:2007.4.25

 2007年1月21日に東京・六本木に開館した「国立新美術館」の開館記念展「20世紀美術探検〜アーティストた国立新美術館外観ちの三つの冒険物語〜」と東京・上野にある東京都美術館の「オルセー美術館展」を観覧してきました。国立新美術館の開館記念展は、2007年1月26日に観覧し、東京都美術館のオルセー美術館展は2007年3月16日に観覧してきました。両美術館の企画展の展示期間はすでに終了しています。

 国立新美術館の開館記念展「20世紀美術探検」は、「物質」をキーワードに百年間の美術史をたどるという壮大な試みです。1階の展示室すべて、約6000平方メートルを占拠して展示され、通常の美術館の企画展の4〜5個分の規模で、すべてを見るだけでかなり疲れました。展示は、絵画、彫刻、現代アートと幅広く約600点が展示されており、統一性があるようで、ないような感じでしたが、20世紀は「物」が支配する大量生産、大量消費にどっぷり浸かった時代だったということは伝わってきました。開催趣旨として、「物」の出会いを通じてこそ、新しい文化や芸術が築かれていくということが根底にあるようです。

 一番上の画像は、国立新美術館の外観を写したもので、うねるガラスの優雅さが伺えます。また、上から2番目の画像は、美術館の中のロビーから優雅にうねるガラス部分を写したものです。全面ガラス張りで、陽射しが差し込み、明るいアトリウムとなっています。国立新美術館の設計は、黒川紀章さんによるものです。

 国立新美術館の大きな特徴は、斬新な建物だけでなく、所蔵品を持たない初の国立美術館です。1万4千平方メートルの展示スペースで自らの企画のほ国立新美術館内部か新聞社などが主催する企画展、美術団体の公募展などを年間を通して同時開催します。所蔵品を持たないだけに、頻繁に美術品の出し入れが発生するため、物流システムもしっかりと整備されています。バックヤードは、巨大物流センターのようになっており、大型トラックが建物に沿って設けられた通路から搬入口に向かいます。1日20台が出入りし、100台が待機することも想定し、設計されています。

 国立新美術館は、所蔵品を持たない新しいスタイルの美術館と言えます。「21世紀型美術館」と謳っており、物流システムなどを取り入れた循環型美術館となっています。当初、所蔵品がないので、巨大な貸し館という批判もあったそうです。しかし、世界の名だたる美術館と比肩するコレクションを作ることは不可能で、高額な一点の名作だけを売り物にするより「世界のコレクションがすべて所蔵品」という逆転の発想で生まれたそうです。

 国立新美術館は初年度の来場者を150万人と見込んでいます。所蔵品がないだけに、どれだけ魅力的な企画を打ち出していけるかにかかっており、巨大な箱をどう生かしていくか、今後の展開を見ていきたいと思っております。近い発想に、名古屋ボストン美術館があり、アメリカのボストン美術館と姉妹館形式で、ボストン美術館の所蔵品を名古屋でも見れるようにする意味合いがあります。一時期、姉妹館契約の契約料など運営が危ぶまれましたが、芸東京都美術館オルセー展術文化という視点から企業、行政など地域が後押しする形で継続となった経緯があります。地域(住民)に芸術を育む文化を根づかせていくには、息の長い気長な取り組みが必要と言えます。一長一短には作れないのが文化と思います。

 上から3番目の画像は、東京都美術館の外観を写したものです。「オルセー美術館展」は、2007年1月27日から4月8日まで開催されており、行った日は、3月16日と終盤にかかっていることもあり、平日にもかかわらず込み合ったいました。オルセー美術館展は、既に大人気で多くの人たちが連日詰め掛けており、覚悟して行きましたが、館内は、なかなか絵画の前までいってゆったりとみるというわけにはいかず、館内も行列のような状況でした。

 オルセー美術館展は、名前の通りフランスにあるオルセー美術館の所蔵品を展示しています。10数年前にフランスに行った際に、オルセー美術館に行ったことがあり、東京に行く機会があれば、もう一度みてみたいと思っていた次第です。特に、スーラ、ルノワール、セザンヌ、モネ、ドガ、ゴーギャン、ゴッホなどの19世紀が生んだ巨匠たちのフランス印象派の絵画が好きでもう一度、本物を見てみたいと思いました。やはり、本物を目の前にすると違うものです。

 今までに海外においては、ルーブル美術館、オルセー美術館、バチカン美術館、大英博物館、シカゴ美術館メトロポリタン美術館などを見てきました。ここで、少しオルセー美術館を紹介します。オルセー美術館は、フランスのパリにあり、1900年当時、駅舎だった建物を改装して美術館に生まれ変わらせました。オープンは今から約20年前の1986年で美術館そのものの歴史はそんなに古くはありません。原則として、1848年のフランス二月革命から1914年の第一次世界大戦までに生まれた、約7万点もの美術作品を所蔵しています。彫刻、工芸品、写真芸術と様々なジャンルを網羅していますが、オルセー美術館の華は、やはりフランスが誇る印象派の名品の数々です。

 今回のオルセー美術館展では、絵画、彫刻、写真、工芸品、建築デッサンなど140点の作品が出品されました。テーマは「19世紀の芸術家たちの楽園」で、19世紀の芸術家たちと彼らが愛し、希求した土地や人々、特定の環境との関係に焦点をあて、創作活動に欠くことのできなかった世界を浮かび上がらせようとしたものです。

 館内は込み合っており、満員電車の中のような状態でしたが、見応えはあり、十分満喫できました。出張の合間のちょっとした時間を利用して行きましたが、フランスに行った時のまちの雰囲気、まちの匂いを思い浮かべながら、未来に向かって歩んでいるような躍動感あふれる印象派の絵画をみて、リフレッシュできました。

 皆さんも芸術文化に触れに、美術館に行かれてはいかがでしょうか。リフレッシュとともに、新たな発見もあることと思います。旭山動物園(北海道旭川市)の行動展示によって、全国的に動物園が変わり始めていますが、今、美術館もいろいろな試みを行っており、変わり始めています。

By Nagura

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