有限会社から株式会社への商号変更
手続きを自分で行ってみて

 記:2007.3.28

 昨年(2006年)5月に改正された会社法が施行されました。改正された会社法については、昨年(2006年)6月にコラム商号変更イメージ「改正された新会社法について考える」で紹介しておりますので、併せてご覧頂けましたらと思います。その際のコラムにおいて、有限会社から株式会社への移行を考えていると述べましたが、その後、半年ほど経った昨年(2006年)12月にようやく有限会社から株式会社に商号変更しました。

 まず、改正された会社法のポイントをもう一度押さえておきます。会社制度に関わるものとしては大きく分けて以下の5点となります。「株式会社と有限会社を“株式会社”に統合」され、有限会社は廃止されました。その他「株式会社の中に“公開会社”“非公開会社”の2つのパターンを創設」「最低資本金規制を廃止した(1円での株式会社設立可能」「会社の構成を決める“機関設計”で柔軟な選択が可能」「株式の種類の多様化によって柔軟な権利配分が可能」の計5点です。

 今回、有限会社から株式会社の商号変更とともに、併せて資金繰り、経営の安定化を図るために増資も同時に行ったので、余計に手続きが煩雑でした。会社法改正の本を読みながらの作業で、なおかつ仕事で終われており、昨年6月頃にでも商号変更しようかと思っていましたが、結局昨年の12月までかかりました。お金を払って行政書士等に依頼すれば、スムーズにできますが、今回は、特にいつまでにやらないといけないという期限もなく、急いでないこともあり、仕事の合間をみて進めてきた次第です。

 しかし、自分自身でやることで、会社への思い入れがさらに増してくるものです。ちなみ、有限会社を立ち上げる際も、試行錯誤しながら自分で設立の手続きをしました。その際の模様はコラム「有限会社への手続きを自分で行ってみて(1998.10.11)」で述べておりますので、併せてご覧いただければと思います。

 有限会社から株式会社への移行手続きのおおまかな流れを紹介します。「変更定款の作成」「株主総会の開催」「印鑑発注」「登記申請書の作成」「登記申請書の提出」「金融機関への通知」「看板などの変更」「取引先への挨拶状送付」「商号変更の提出書届出」がおおまかな流れです。手続きを自分で行っても、有限会社の解散登記で3万円、株式会社の設立登記で3万円は最低かかります。また、当方の場合、増資も伴っていますので、増資手続きの免許税もかかりました。

 さらに、コストとしては、株式会社の印鑑の作成、商号変更に伴う名刺、封筒、ゴム印など作り直しが必要となります。そして、挨拶状の作成、発送などもコストがかかります。当方の場合、12月に変更したこともあって、新しい社名によるカレンダーも作成して、取引先等に配りました。何が面倒くさいかというと、上記の流れの手続きにおいて、関係書類の提出先が複数にわたることです。手続きにおける足を運んだ窓口を挙げてみますと、「法務局」「税務署」「社会保険事務所」「市役所」「県税事務所」「銀行」などで、さらに商号変更後に、会議所はじめ仕事をしている取引先への商号変更手続きです。有限会社で契約書を交わしているので、株式会社に変更したことで、そのための変更手続きが必要な訳です。あと細かいところでは、NTTの電話帳への商号変更の届けもしておく必要があります。

 商号変更と増資というダブルということもあり、変更定款と登記申請書では、かなり手こずりました。本を読みながらでは、わからないところも多く、一度提出して、不備があり、法務局から呼ばれて補正を行った次第です。不備があったところは、法務局の職員も、ここは慣れた人でも難しいと言っていた次第です。法務局の職員の方も本当に親切に対応頂きました。自分自身で商号変更の手続きを行ってみて、なんだかんだ手間ひまかかりましたが、時間がかかった分、さらなる飛躍に向けて、新たな決意が涌き上がってきました。

 最後に、改正された会社法関係の情報を記載します。企業合併・買収(M&A)の行方に影響を与える「三角合併」が今年(2007年)5月に予定より1年遅れて解禁されます。当初、昨年の改正された会社法に盛り込まれましたが、企業の買収防衛策導入の期間を与えるために導入が1年延期された次第です。三角合併とは、会社を合併する際、消滅会社の株主に対して、対価として、存続会社の株主ではなく親会社の株式を交付して行う合併のことです。

 財務省は、細部のルールづくりの大詰めをしており、2007年3月28日に買収される会社の株主への課税の繰り延べ条件を定める省令案を固めました。2007年4月中旬に省令を公表する予定です。省令案では、買収側(外国企業等)が三角合併のために日本で子会社を設立する場合は、日本に事業所を持ち、従業員を雇用したり、関係省庁への許認可申請や広告・宣伝を始めていることなど具体的な活動の開始を求めています。

 また、金融商品取引法による「財務報告に関する内部統制」が2008年4月から上場企業に義務づけられます。内部統制とは、ひとことで言うと、「ミスを防ぐ仕組み」と「不正を起こさせない仕組み」のことです。子会社を含めて企業が、法令を守りながら、効率的に事業を行うため、ルールや手続きを設け、それを機能させていくかに主眼を置いています。企業内のあらゆる業務に組み込まれ、すべての人間によって遂行されるプロセスと言えます。

 今回のコラムで紹介させて頂いたように、この度、弊社は会社法の施行を契機に、有限会社から株式会社に改めました。これを機に、新たな決意をもって努力していたす所存でございます。なにとぞ、従来にも増してのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

By Nagura

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