全国商店街情報化フォーラム2006に参加して

 記:2006.12.26

 2006年11月8日に東京で行われました「全国商店街情報化フォーラム2006」に参加してきました。一番上の画像は、全国フォーラム風景商店街情報化フォーラム2006の模様を写したものです。昨年も参加しましたが、昨年はコラムで取り上げませんでしたが、これまでに参加した全国商店街情報化フォーラムのコラムは、当ホームページのコラム「第6回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第4回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第3回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第2回全国商店街情報化フォーラムに参加して」で紹介してますので、併せてお読みいただければと思います。

 全国商店街情報化フォーラム2006は、2部構成で、1部では、経済産業省の職員から「改正まちづくり3法と今後の商店街支援に関して」というテーマで基調講演が行われました。また、基調講演に続き、施行から1年を過ぎた個人情報保護法と商店街情報化の関係、特に情報セキュリティ問題に関して、弁護士から話がありました。メインの2部のパネルディスカッションでは、商店街同士、商店街と交通機関、金融機関等、さまざまな形の情報ネットワークの連携などが紹介されました。

 まちづくり3法の見直しの基本的な方向性は「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」です。施策の方向性は「様々な都市機能の市街地集約」「中心市街地のにぎわい回復」「一体的推進(まちづくりに関する環境変化に対応した新たな制度設計」です。まちづくり3法の見直しは、中心市街地に人を呼び戻すアクセルの役目を担っていると言えます。あと大きな変更点は、これまでは「市町村の方針に沿ってTMO(まちづくり機関)が活性化計画を策定」していましたが、これからは「地元商工会議所(商工会)、商業者、都市整備の公的機関、地権者などで組織する中心市街地活性化協議会の意見を反映しながら市町村が策定」していくこととなります。

 旬な話題として、富山市が2006年12月20日に、中心街の再生に向け全国で初めて国に中心市街地活性化基本計画を申請しました。2006年8月に施行された改正中心市街地活性化法に基づくもので、2007年1月にも地域認定を受ける見通しです。国から支援を受けて公共交通機関の整備など36事業を進め、都市機能を中心部に集めたコンパクトなまちづくりを目指しています。対象区域は富山駅、市役所、県庁などを含む436ヘクタールで、計画期間は2007年1月から2012年3月までの5年3カ月です。市内を走る富山地方鉄道の路面電車の延伸・環状化やバスの利用促進などにより、高齢者らが車に依存せず暮らせる街を形成する計画です。

 また、再開発などにより商業・文化施設を整備するほか、住宅取得者や建設事業者に補助金を交付するなどして郊外からの人口回帰を促進する計画です。一連の施策で2011年度には中心商業地区の日曜日の歩行者通行量を約3割増の3万2千人に引き上げる考えです。中心市街地の居住者も約1割増の2万6千5百人を目指しています。また、富山市と同時に地域認定の第一号となる見通しの青森市も2006年12月22日に申請しました。青森市は、コンパクトシティの先進的な取り組みで既に有名ですが、新たに策定した基本計画では、無秩序な郊外開発に歯止めをかける「コンパクトシティ」の理念に基づき、4年後の新幹線開業で急増する観光客を中心街に呼び込む施策を盛り込んでいます。また、ウォーターフロント地区への文化観光交流施設(仮称・ふるさとミュージアム)建設などが柱になっています。

 2部のパネルディスカッションでは、なかなか興味深い話を聞くことができました。これまでは、どちらかと言えば、カード事業の効果などを紹介して商店街での推進を図るものが多かったですが、今回は、商店街単独では費用面など難題が多く、連携を図っていくある意味、生き残り策というか効率化の話が聞けました。

 滋賀県長浜商店街連盟の「シュッセカード」は、平成7年にスタートし、8年目を迎えたころに、製造メーカーから部品供給ができなくなった旨の連絡を受け、危機を迎えました。機器の老朽化と西友資本の長浜楽市の撤退により28店が加盟店から撤収するダブルパンチを受けました。その危機を乗り越えたのが、住民基本台帳カードとの連携です。行政と連携することで、補助金等活用してカードシステムを刷新しました。全国初の試みで、まだまだ課題も多くあるようですが、今後の展開に注目したいものです。

 逆に、まったく補助金なしでカード事業の転換を図ったのが大阪府に小阪スタンプ会です。スタンプ事業やポイントカード事業は、大量の金銭を扱うので金融機関の協力が欠かせません。ところが近年の金融再編に合わせて金融機関自身事務軽減をはかるため、スタンプ事業やポイントカード事業の取り扱いをストップする事例が相次いでいます。ここ小阪スタンプ会も同様に、2007年には取り扱いをストップすると通告されていました。そこで、打開策として、三井住友VISAカードと連携しました。カード会社と連携することで、金融機関に全く負担をかけない形でシステムも刷新しました。サーバが不要になったり、その反面、月間利用料がかかるなどメリット、デメリットはありますが、この小阪スタンプ会の取り組みも今後を注目したいものです。

 次の事例は、小阪スタンプ会の連携に近い形ですが、こちらは商店街同士の連携が図られています。岐阜県の平田ラッキースタンプ会は、平成9年に導入したカード事業が機器の故障多発で、システムの更新が不可避の状態でした。そこで、新たにシステムを構築するのではなく、京都の西新道錦会商店街のカード事業と連携して、西新道錦会商店街のシステムに相乗りという形で加わりました。自前のサーバが必要なく、月々の使用料はかかりますが、商店街同士ということでかなり低コストで抑えているようです。商店街というのは、ある意味、プライドの塊という見方もでき、なかなか連携がうまく図れない中、うまくいったケースと言えます。

 本当に頑張っている商店街もありますが、多くの商店街が傾向として、商店街という組織が崩れて、商店主同士の連携もままならず、商店街という枠のなかでは、商店街の活性化、中心市街地の活性化もままならない状態に陥っているのが現状と思います。今回の事例を伺って、窮地に陥った商店街が、知恵を絞り、他に連携を求めて、自分たちで固まりがちのなか、外の血を入れて、自ら変わっていこうという姿勢には共感を覚えました。

 商店主・商店街の意識の変化が感じられ、商店主・商店街が変わっていこうという思いがあって、はじめてまちづくり3法の改正が生きてくると思います。これまでは行政と商店主の間には認識の違いというか互いの歩み寄りがあまり見られませんでしたが、ようやく歩み寄りが始まったのかなという感慨深さもあり、これからのまちづくりが楽しみになってきました。2007年は、まちづくりの“新しいスタート”の年になるかも知れません。

By Nagura

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