全国リサイクル商店街サミットに参加して

 記:2006.10.24

 愛知県春日井市で開催されました「全国リサイクル商店街サミット春日井大会」(2006年9月5日〜6日)春日井サミット風景に参加してきました。春日井市のまちの視察レポートは、以前「“書のまち”春日井市を訪ねて」で紹介しておりますので、合わせてご覧いただけましたらと思います。全国リサイクル商店街サミットは、今回で9回目となります。この全国リサイクル商店街サミットの発端は、東京新宿区の早稲田商店街のエコステーションの取り組みです。

 一番上の画像は、その発端となった早稲田商店会の安井さんが特別講演を行っている模様を写したものです。食品スーパーの親父さんですが、今では、衆議院議員で一躍有名になってご存知の方も多いことと思います。以前に、まだ国会議員になる前ですが、講演を聞いたことがあり、その模様はコラム「早稲田大学周辺商店街の取り組みを考察する」で紹介しておりますので、合わせてご覧頂けましたらと思います。

 1998年に早稲田商店街から始まったエコステーションの取り組みは、今では、北海道から沖縄まで全国の商店街に広がり、70を超える商店街で取り組まれています。全国リサイクル商店街サミットは、いわゆるその仲間の集いであり、さらに環境にやさしい商店街の仲間を広げていこうというものです。第一回目は、もちろん発祥の早稲田で、それ以降、毎年行っており、東京、熊本、高知、神戸、飯山(長野)、山形、志津川(宮城)、そして、今回の春日井という経緯となっています。ちなみに来年(2007年)は、愛媛県の新居浜市で2007年2月3日〜4日に開催されます。

 まず早稲田で始まったエコステーションとは何かということを説明していきます。エコステーションとは、商店街の空き店舗等のスペースに、空き缶回収機やペットボトル回収機、なまゴミ処理機、発泡スチロール処理機などリサイクル機春日井サミット風景器を置いて、商店街が中心となってつくる地域のリサイクル拠点のことです。リサイクル回収機を設置するほか、リサイクルショップが併設されたり、地域の障害をもった方の製品を販売したり、介護用品を展示したり、近くの農家のおばあさんが野菜を売ったり、パソコン教室を開催するなど、地域のふれあいプラザとなっています。

 また、エコステーションは単なるリサイクルの回収だけではなく遊び心があり、楽しめるようになっています。ラッキーチケット回収機というゲーム付きの空き缶回収機やペットボトル回収機が設置されています。空き缶やペットボトルを投入すると、ゲームが始まり、当たると、ラッキーチケット(商店街や地域のお店・企業などの割引券やサービス券)が出てきます。リサイクルでゲームをしてラッキーチケットが当たり、お客さんが得をするというわけです。そして、そのお客さんがお店に来るので、お店もお客さんがきて、うるおう仕組みとなっています。空き缶を回収しながら、お客さんも「回収」して、その両方が得するこの得得関係は「楽しくて、お客さんもお店ももうかるリサイクル」と言われています。

 そのエコステーションがきっかけとなった今回の「全国リサイクル商店街サミット春日井大会」の流れを簡単に紹介します。特別講演の安井さんからは、今、旬とも言える話題の「中心市街地の活性化とまちづくり3法の見直し」というテーマで話を頂きました。そして、基調講演は、春日市出身の北海道のYOSAKOIソーラン祭りを立ち上げた長谷川岳さんから「今感じる町衆のうねり よさこいソーランを通じて見えてきた、人、まち、そして商店街」というテーマで話を頂きました。

 基調講演、特別講演以外では、分科会に分かれてそれぞれ議論がなされました。「コンパクトな市街地形成とまちづくり3法」「郊外大型SCと商店街・奮闘商店街 最前線レポート」「リサイクルは日本を救う、商店街を救う」「徹底討論!頑張れ商店街 サポーターとともに」「災害に備えよ!商店街は地域を救う」「商店街は街のコミュニティの核になれるか」「商店街のなんでも自慢 なんでも相談」の6つの分科会がありました。けっこう魅力的なテーマが多く、掛け持ちで出たいところでしたが、すべて同じ時間帯で進んでおり、当方は「徹底討論!頑張れ商店街 サポーターとともに」に参加しました。

 副題には「環境ビジネス・コミュニティビジネスが生まれる」とついており、サポーターというのが大学・学生たちを指しており、商店街と大学の連携の事例が紹介されました。瀬戸市の銀座通り商店街大垣市の大垣駅前商店街名古屋の円頓寺商店街の3商店街における商店主と学生たちがいろいろとありながらも、それを乗り越えて信頼関係を築いてきたことが熱く語られました。商店主側からは学生たちの身勝手な行動で困ったこと、大学・学生側からは商店主たちのモチベーションの低さに驚いたことなど、そういう場面もあったそうですが、互いにそういう部分も認めつつ、互いに乗り越え、共に商店街で頑張っている様子が伺えました。

 上から2番目の画像は、当方が参加した分科会「徹底討論!頑張れ商店街 サポーターとともに」の模様を写したものです。その画像上に、ある商店主が来ているTシャツの後ろに書かれた文字に注目して頂きたい。少し見にくいかも知れませんが、春日井という文字の上に、「汗をかき、その心意気が伝わる商店街をめざして」と書かれています。まさに、この分科会では、商店主が自ら汗をかき、その心意気について話し合われました。このTシャツは今回の大会のスタッフが着ているもので、大会のテーマでもあります。「汗をかき、その心意気が伝わる商店街をめざして」というスローガンは、当たり前と言えば当たり前ですが、基本であり、原点に返った取り組みがまさに求められていると言えます。

 あと、今回の春日井大会で、春日井の商売人の心意気が伝わってきたのが、初日の夜に行われた交流会です。いわゆる“おもてなし”です。普通ですと、今回も会場はホテルでやったので、ホテル内での立食パーティーが多いですが、なんと、商店街全体をイベント会場にしてお客さんを迎えました。月1回行われている弘法市という催しを、今回の大会に合わせて臨時に弘法市を開催したわけです。当日は、天候にも恵まれ、有意義な時を過ごさせて頂きました。あれだけ大掛かりな弘法市を臨時でやってのける“心意気”には、まだまだ商店街も捨てたものではないと感じ、うれしくなりました。

 また、今回の春日井大会では、サプライズもあり、なんと小池百合子環境大臣(現在は内閣総理大臣補佐官・国家安全保障問題担当)もリサイクル商店街サミットということであいさつに見えられました。安井さんの力も大きいですが、商店街にとっても追い風が吹いているように感じております。何も、大型店に対応するというこれまでの機軸だけではなく、商店主が知恵を絞り、身の丈にあった新たなやり方を模索していく時期を迎えていると思います。

By Nagura

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