東京モーターショー2005
を見学して“ものづくり”を考える

記:2005.12.25

 東京モーターショーに8年ぶりに行ってきました。東京出張の次いでに、一泊余分に宿泊して、平日の2005年11月2日に行東京モーターショーフォードってきました。平日とは言え、かなり込み合っていました。以前は、ものづくりに関わっていた時は、仕事の一環もあって、毎年行っていただけに、久しぶりに行って何か“ものづくり”の原点に触れてきたような感覚も覚えました。

 8年前に東京モーターショーに行った際には、かなりレポート&コラムを書いておりますので、「第32回東京モーターショー・国産車」「第32回東京モーターショー・外国車」「第32回東京モーターショー・部品関係」「第32回東京モーターショー・テーマ館」「第32回東京モーターショー・環境」「第32回東京モーターショー・安全性」「第32回東京モーターショーを見てきて」も併せてご覧頂けましたらと思います。一昔前の8年前と今回との比較もできると思います。

 ちなみに、8年前の目玉は、トヨタのハイブリッドカー「プリウス」で、東京モーターショーがいわゆるお披露目で、その直後に市販されています。時代背景として、「環境」という問題に各メーカーが真剣に取り組む姿勢に乗り出したターニングポイントと言えます。今や、ハイブリッドカーも普及とまでは、いかないまでも珍しさはなくなって、ホンダもシビックハイブリッドで今回は気合いが入っていますし、普及段階に入ってきているように感じます。今年の東京モーターショーでは東京モーターショーレクサス、帰ってきた“復活のニッサンのGT-R”と国内で高級車市場に乗り出した“トヨタのレクサス”に人だかりができていました。今回、久しぶりに行きましたが、自動車業界も久しぶりにトヨタとニッサンの勢いが出揃った華やかさが戻ってきたように感じました。

 上から3番目の画像は、“GT-R”とそれを取り巻く観衆の様子を写したものです。画像から人だかりのすごさがご覧頂けると思います。今回は、プロトタイプで、2007年のモーターショーで市販モデルを発表するとしています。2007年デビューに向けて、ほぼ市販型に近いだろうと予想されています。スペックとして、全長4,650ミリ、全幅1,930ミリ、全高1,350ミリ、ホイールベース2,800ミリ、エンジンV6DOHCターボ、排気量3,800cc、最高出力450ps/7,000rpm、最大トルク50kgm/4,000rpmで価格は800万円級と予想されています。“GT-R”というと、あこがれのスカイラインですが、今回はスカイラインの冠をはずし、日産のフラッグシップカーとして、“GT-R”そのものでいくようです。

 上から2番目は、レクサスのフラッグシップカーである次期セルシオとなるレクサスLS460を写したものです。こちらも展示の仕方にも寄りますが、“GT-R”に及ばないにしても、人だかりでし東京モーターショースカイラインた。トヨタブースとは別で、トヨタブランドを消したレクサス専用のブースとなっていました。コンセプトモデルですが、こちらも“GT-R”同様、ほぼ市販型に近いだろうと予想されています。正式発表は2006年1月のデトロイトショーで、日本での発売は2006年8月の予定となっています。価格は、ベースモデルが650万円で、ハイグレードは“GT-R”同様800万円級と予想されています。スペックとして、全長5,100ミリ、全幅1,850ミリ、全高1,480ミリ、ホイールベース2,970ミリで、ベースモデルのエンジンが4.3リットルのV8で、ハイグレードのエンジンが5.0リットルのV8と予想されています。

 以前は、ものづくりに携わっており、今は、まちづくりに携わっておりますが、バリアフリーなまちづくり、ユニバーサルデザインを取り入れたまちづくりなども行っており、福祉車両にもけっこう目がいきました。各社、福祉車両も充実しつつあるように感じました。上から6番目の画像は、コンパクトカーに後ろから車いすごと入れる様子を写したものです。車いすのまま運転席に乗り込めるクルマも展示されていました。福祉車両をおおまかに分けると、身体の不自由な人が自分で運転する(自操)タイプと乗せ降ろしに便利な(介護)タイプがあります。上から6番目の画像は、後者タイプと言えます。

 運転操作も全部、手でできるものから足だけでできるものなどあります。足動運転補助装置付きの車は、ドアの開閉も足でできます。通常の開閉の把手が東京モーターショー三菱ドアの下の方に付いています。介護タイプでも助手席や後部座席が回転するものや回転プラス昇降するものなどあります。福祉車両は、障害をもった方だけでなく、2015年には4人にひとりが65歳以上になると予測されています。お年寄りの増加とともに身体機能が低下し、日常生活に支障をきたす人が増えてきた時に、いつでも自由に、快適に移動できるように、福祉車両が求められています。

 今回の東京モーターショーでは、きらびやかなコンセプトカーと並んで多くの新型福祉車両が展示されていたことからも各メーカーが力を入れていることが伺えます。中でも、要介護者と家族が、共に無理なく移動することを目的とした個人向けの車種の増加が目立っています。ただ難点は、福祉車両は特装車が多いし、生産台数が少ないので高くなることです。

 しかし、高齢者の方が肢体障害などで身体障害者手帳を持っている場合、税や通行料金の割引などに、優遇措置が与えられるケースがあることを意外と知られていないようです。例えば、福祉車両を購入する場合、消費税は基本的に免除です。自動車税と自動車取得税は自治体によって異なりますが、一般には減税措置が取られています。全額免除になる場合もあり、都道府県の税事務所や福祉事務所に問い合わせて頂けたらと思います。また、自治体によっては、購入東京モーターショーホンダ資金の貸し付けも行っているところもあり、今までより一般の人にも手が届きやすくなっています。

 行政が福祉車両への減免措置や補助等を行っているとともに、ものづくりの現場の自動車メーカーも効率化を図り、福祉車両を安く提供できるように頑張っています。トヨタ自動車が、体の不自由な人向けの「福祉車両」を安く提供しようと、生産現場の改革を始めました。2005年11月に発売された小型車「ラクティス」の生産ラインでは、標準車に混じって、福祉車を組み立てています。「混流生産」することで、組み立て時間を大幅に短縮し、価格も抑えることができるということです。

 これまで、福祉車両の生産は、愛知県豊田市のトヨタ自動車高岡工場で完成させた標準車を神奈川県内のグループ会社に運んで分解し、床面を切断したり、スロープなどの部品を取り付けるなどして、福祉車に組み立て直していました。ラクティスは、スロープを取り付けやすいようにと車両の設計段階から低フロアにするなど工夫を施しました。これにより、福祉車専用の部品をあらかじめ組み立てておき、サブラインと呼ばれるラインから通常のラインに供給し、標準車が流れてくる合間に取り付ける「混流生産」が可能となりました。

 溶接から塗装、組み立てまでを工場内で完結させることで、「標準車と同じ品質を維持できる」と高岡工場の工場長はおっしゃっています。手作業を機東京モーターショー福祉車両械化することで、作業時間はこれまでの17時間から1時間程度に短縮しています。こうした改革の成果で、標準車と福祉車両の価格差が、ラクティスでは、従来の52万円から38万円に短縮され、コストが下がっています。ラクティスの福祉車の販売は、旧型車の2倍にあたる年2,000台に増えると見込んでいます。

 ちなみに、国内の福祉車の販売台数は、2004年度に約41,600台で、トヨタが65%のシェアを持っています。現在は、37車種に福祉車を設定しており、今後は、ラクティス以外でも、「混流生産」を検討していく模様です。トヨタが福祉車で65%のシェアを持っているとはいえ、福祉車は国内販売で見た場合、1%程度に過ぎない数値で、今後、障害を持った方や高齢者にも自動車を楽しんでもらうためにも、より使いやすい車両の開発やコストの低減がものづくりの現場に求められています。

 上から7番目の画像は、二輪車(バイク)のブースを写したものです。二輪車の市場は、国内市場は苦しい戦いが続いていますが、アジア市場は活況に沸いています。大型スクーターが若者から人気を集めていますが、国内需要は右肩下がりで、その規模は20年前のわずか4分の1に過ぎない状況です。国内市場がピークに達したのは1982年の328万台で、それが2004年には70万台と減少しています。

 しかし、追い風としては、高速道路の二人乗りの解禁や自動変速機(AT)免許の導入などあり、需要創出につなげるために東京モーターショーバイクも各社が知恵を絞っています。今回のモーターショーでは、ATを搭載した大型排気量スポーツタイプのバイクの展示が目立っていました。今後、二輪車のATがますます身近になっていくように感じます。それと、今後、欧米市場のように「スポーツとしてのバイク文化」の確立が日本でどのように育っていくかということも重要になってきます。

 二輪車市場の減少は、若者が減って、バイク購買率が減ってきたという時代背景があることも確かですが、スズキ、ホンダ、ヤマハ、カワサキの国内勢とともに、ハーレー・ダビッドソン、BMW、ドゥカティの海外勢のブースを見てますと、若者だけでなく、おじさんや子どもを連れたお父さんの姿もけっこう見られました。中でも、ハーレー・ダビッドソンは、けっこうおじさんクラスも見られました。おじさんグループのハーレー・ダビッドソンの同好会の話もよく聞きますし、これから団塊の世代の定年退職を控え、団塊世代の市場も伸びそうです。そして、二輪車のAT免許が解禁されることで、乗りやすくなり、女性の市場も広がっていきそうな感じがします。

 その他、モーターショーの会場では、愛知万博で人気を博したi-unitの進化形のi-swingも展示されていました。最後にまだ紹介していない画像を紹介していきます。モーターショーの華であるコンパニオンも写っておりますのでご覧頂けたらと思います。一番上の画像は、フォードのブースを写したものです。アメリカ勢でも比較的元気のあるフォードだけあり、けっこう人も入っており、日本に初上陸する日本初公開モデルなどが展示されていました。

 上から4番目の画像は、三菱のブースで、パリダカで連破したパジェロを写したものです。三菱も元気を戻しつつあり、今が正念場と言えますが、本来の強東京モーターショーデンソーみを生かしてがんばって欲しいと思っています。上から5番目の画像は、ホンダのブースを写したもので、F1マシンを写したものです。ホンダは相変わらず、昔から華やかな展示というより、技術を見せるところがあり、独自路線の勢いを感じました。しかし、今回は、けっこうシビックのハイブリッドの売り込みを狙っている商売っけも感じました。

 その他、画像では紹介しておりませんが、マツダも復活してきた勢いがありました、スバルもトヨタとの連携が進みつつありますが、独自技術を前面に出していました。軽自動車の分野では、スズキとダイハツのラグジュアリー的な遊び心を取り入れた競い合いが見られました。

 上から8番目の画像は、部品館のデンソーのブースを写したものです。部品ブースは、自動車館ほどの込み合いではありませんが、自動車の先端技術、未来の自動車がどうなっていくのかなど見せる工夫がなされていました。デンソーのブースの先ほどの画像は、子どもが運転席に座って、コンパニオンから映像を見ながら、未来のコックピットを体験しているところを写したものです。

 今回、久しぶりに行きました東京モーターショーの様子と福祉車両を通して、ものづくりの現場も紹介いたしました。今、愛知県は、産業観光に力を入れており、いろいろな現場である工場見学を組み入れた産業観光が脚光を浴びつつあります。皆様方も機会がありましたら、車に乗ったり見たりするだけでなく、製造現場に行きますと、より身近に感じるとともに、現場には様々な工夫がなされており、参考にもなりますので、是非、足を運ばれてはいかがでしょうか。

By Nagura

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