学生たちの地域づくり意見交換会
“まちづくりカレッジin瀬戸”に参加して

記:2005.10.17

 2005年8月24日〜25日にかけて、愛・地球博EXPOまちづくりカレッジ&まちづくりカレッジin瀬戸が、愛・地球博(愛知万博)の瀬戸まちづくりカレッジ愛知万博会場と愛知県瀬戸市中心市街地で行われ、参加してきました。まちづくりカレッジとは、全国各地で大学と地域との協働によるまちづくりを試みる大学関係者や市民が参加する、交流ネットワークづくりのための全国大会です。

 まちづくりカレッジは、2001年度に第1回大会が関西学院大学で開催され、今年で5回目となります。今までに、このまちづくりカレッジに関わった大学(教員・学生)は、国公私立大学あわせて、20大学以上のべ300名以上にのぼっています。

 今、全国各地で学生および大学挙げての地域連携、まちづくり、商店街活性化の取り組みが見られます。学生はじめ大学と自治体や商店街との連携は、ざまざまなところで進んでおり、これまでにも、視察レポートで紹介してきております。検索項目「学生・大学における連携の取り組み事例(商店街・行政などとの連携)」を設けていますので、クリックして頂きご覧頂けましたら幸いです。今回のコラムはじめ、学生・大学とまちづくりという観点では、これからも数多く紹介していきたいと思っております。

 さて、今回の愛知県瀬戸市でのまちづくりカレッジは、名古屋学院大学まちづくりNPO人コミュ倶楽部が主催団体となって開催されました。彼らの瀬戸市の中まちづくりカレッジ愛知万博心市街地商店街での取り組みは、のち程、紹介しますが、以前にも視察レポート「学生たちが活躍する瀬戸市中心市街地を訪ねて」で紹介しておりますので、併せてご覧頂けましたらと思います。

 この「まちづくりカレッジ」では、全国各地域で商店街活性化、福祉、環境や文化といったさまざまな分野の学生まちづくり活動の活動報告・発表や意見交換が行われてきました。一番上の画像と上から2番目の画像は、愛・地球博(愛知万博)の瀬戸会場で学生たちが発表して、意見交換している風景を写したものです。一般公開で行われ、万博に来られた方々も足をとめて、聞いている様子が見られました。上から5番目と6番目の画像は、愛・地球博(愛知万博)の瀬戸会場の風景を写したものです。

 また、実際に街に飛び出してのまちなみウォッチング、そしてワークショップ及び発表会を通して、まちづくりの素晴らしさを再認識するとともに、他大学の学生同士のつながり、連携も生まれています。上から3番目と4番目の画像は、2日目に実際に瀬戸市の中心市街地のまち歩きをしてから、学生たちが複数グループに分かれて、街歩きで気づいた点など話し合いながらまとめているワークショップの風景を写したものです。学生たちの真剣な様子が伺えると思います。話し合いをして、その内容を模造紙にまとめて、グループごとに発表されました。学生ならではの発想も数多く挙がりました。行政や商店街の方もお見えになっており、是非とも、彼らの意見を受け止めながら、魅力ある瀬戸市にしていって欲しいと思っております。

 今回の参加大学は、主催の名古屋学院大学「まちづくりNPO人コミュ倶楽部」はじめ、星城大学、岐阜大学「富樫研究室」、岐阜経済大学「マイスター倶楽部」、東京大学「東大カフェ」、一橋大学「カフェここたの」、都留文科大学「コミュニティカフェhotori」、名古屋大学「Cafe est」、芝浦工業大学「学生まちづくり学会」、埼玉大学「さいだい通りDEおーきなわっ」、追手門学院大学「茨木交流倶楽部」、関西学院大学「ほんまちラボ片寄研究室」、佐賀大学「学生まちづくり広場ぱるん」の14大学です。

 東京大学の「東大カフェ」は、ちょうど開催していた愛・地球博(愛知万博:2005年3月25日〜9月25日)の長久手会場で、「東大カフェ レーベルアート」の店舗を運営していました。「東大カフェ レーベルアート」は、現役の東大生がプロデュースした新感覚カフェで、名古屋八丁みそバーガーなどが人気で、万博開催期間中は、東大生が交代で東京から通って運営していました。また、今回のまちづくりカレッジワークショップまちづくりカレッジの全国学生カフェサミットでコーディネーターをつとめた古橋君は、「東大カフェ レーベルアート」と同様に、万博会場で、NPO団体が運営する体にやさしい食事を提供する「ナチュラルフードカフェ」で店長をしていました。さらに、名古屋学院大学まちづくりNPO人コミュ倶楽部が商店街と連携を行った立役者でもあり、現在も、名古屋学院大学・大学院に通いながら、後輩たちの指導はじめ、いろいろな地域で幅広く活躍しています。

 ここで、今回の主催者でもある名古屋学院大学まちづくりNPO人コミュ倶楽部のこれまでの取り組みと成果を見ていきます。名古屋学院大学では、瀬戸市にある銀座通り商店街の空き店舗を活用し、カフェと雑貨コーナーを併設した店舗「カフェ&雑貨マイルポスト」を2002年9月に開設し、「まちづくり」と「自分づくり」をテーマに、学生主体での運営、コミュニティビジネス(地域ビジネス)を展開しています。

 商店街における学生たちの取り組みは、ボランティアからビジネスに至るまでのさまざまな公益的な連携プロジェクトを企画・開発し、マイルポストにおける店舗での実践を中心とした大学教育プログラムとしても位置づけられています。また、この取り組みによって、地域・商店街の活性化にも大きく寄与しています。

 それでは、活性化に寄与した成果等少し見ていきます。マイルポストが位置する瀬戸市中心市街地の銀座通り商店街は、学生た愛・地球博瀬戸会場ちが活動する前には組合加入件数54件中、空き店舗は14件ありました。しかし、学生たちが活動開始後、次々と空き店舗が埋まり、現在では空き店舗は半減しています。学生たちが呼び水となって、商店街はじめ、地域住民、行政を動かしたとも言えます。

 商店街の通行量も、学生たちの活動開始前の2001年3月には約800人(/日)だったのが2005年3月には1,200人強(/日)と増加傾向にあります。

 商店街そのもの動きとしては、学生たちの活動に触発されて商店街の有志が合資会社を設立し、和風茶屋「銀座茶屋」を開店(2001年4月)し、そこは、地域住民や学生たちとの連携で運営されており、学生が店長をつとめています。さらに、商店街振興組合による「一店逸品づくり運動」(2003年度〜2004年度)など次々とプロジェクトが立ち上がっています。

 上から3番目と4番目の画像は、学生たちが瀬戸のまちを歩いて、瀬戸のまちのイメージを話し合っているワークショップ風景を写したものと先程紹介しましたが、発表を聞いていて、なかなか鋭い意見もありましたので、少し紹介いたします。学生の中には、初めて瀬戸のまちを歩いた学生もいて、斬新な意見も聞かれました。まず、瀬戸のまちの良いイメージから学生たちの感じた意見を見てい愛・地球博瀬戸会場きますと「商店主とお客さんとの距離が近い」「コンパクトなまち」「まちが小さくまとまっている」「坂道が多く、ゆったり歩けるきれいなまち」「思ったよりおしゃれ」「空き店舗が少ない」「古いまちなのに、ガラス工房や新しい店もある」など挙がりました。

 次に、瀬戸のまちを歩いて学生たちが、気づいた点、もう少し良くなって欲しい点などの意見をみていきます。「若い人が集まる服屋が少ない」「外に発信する力が足りない」「魅せ方の工夫がもっと欲しい」「シンボル的なものがない」「インパクトに欠ける」など挙がりました。

 私自身、瀬戸のまちづくりを見ていて、当初、愛・地球博(愛知万博)は、瀬戸会場がメインで進んでいましたが、その後、長久手会場がメインとなり、当時は、かなりの地元にショックがあったことと思います。しかし、愛・地球博も終了し、今、振り返ってみますと、瀬戸のまちは、変に乱開発されることなく、まちがコンパクトに身の丈にあったまちづくりが進んでいるように思います。学生たちの「コンパクトなまち」とか「まちが小さくまとまっている」という認識は良くみているなあと感じました。また、瀬戸は豊富な観光資源を持ちながら、なかなか情報発信や外へのおもてなしの面が弱い面は当方も感じており、そのあたり、学生たちも「外に発信する力が足りない」「魅せ方の工夫がもっと欲しい」などなかなか鋭く、よく見ているなあと感じました。

 瀬戸のまちは、愛・地球博が盛況に終わったこともあり、住民登録したキッコロ、モリゾーも人気のようで、一番の宝は、万博に関わった市民ボランティアであり、瀬戸会場という環境資源と思います。市民のみならず、万博に関わった愛知県内の多くの自治体職員の方々にとっても、市民というか地域住民の力をあらためて認識されたという声を多く聞きます。万博をきっかけとして、これまでは掛け声だけで終わっていた「地域住民と行政とが連携した協働のまちづくり」が、今まさに、瀬戸で始まろうとしていると思います。今回の学生たちの瀬戸のまちに対する率直な意見も参考にしながら、より魅力ある瀬戸のまちになっていくことを願っております。

By Nagura

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