資格取得(中小企業診断士&福祉住環境コーディネーター1級)を目指すにあたって考察する

記:2005.5.1

 皆さんはどのような資格をお持ちでしょうか。また、どのような資格取得を目指していらっしゃいますでしょうか。診断士&福祉住環境資格と一口に言っても、医者や弁護士などのようにその資格がないと業務、仕事ができないものから、コンサルタントのように資格うんぬんは別に仕事ができるものもあります。医者や弁護士などは、資格を持っていないとできない独占業務と言えます。

 しかし、資格がなくてもできる何らかのコンサルタントやコーディネーターは、それに応じた資格を取得することで、目に見える形で示すことができますし、クライアント(お客さん)が仕事依頼をするにあたって、その人の資質を図る一つの材料にもなっています。反面、そのような資格を取得したからといって、必ずしも仕事につながるとは限りません。そのあたりのバランスを考えて資格を取得していく必要があります。

 上記の仕事を行うにあたっての資格取得の有無は別にして、ざっと主な資格を挙げてみます。簿記、税理士、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、公認会計士、行政書士、不動産鑑定士、カラーコーディネーター、フードコーディネーター、宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、医療事務、保育士、ホームヘルパー、ケアフィッター、ケアマネージャー、英検、TOEFL、TOEIC、気象予報士、CAD、弁理士、MBA、中小企業診断士、福祉住環境コーディネーターなどざっと挙げましたが、どのくらいご存知でしたでしょうか。

 今回のコラムではそのなかの“中小企業診断士”と“福祉住環境コーディネーター”について考察していきます。“中小企業診断士”と“福祉住環境コーディネーター”は、上記の分類では後者で、どちらも資格がなくてもコンサルタントやコーディネーターなどを名乗って仕事はできますが、それぞれの業界では認知度や人気度の高い資格の一つです。

 中小企業診断士とは、一言で言うと、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。中小企業診断士は、中小企業支援法に基づいて経済産業大臣が登録する資格で、中小企業支援法では「中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者」(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)「業務は経営の診断及び経営に関する助言」「中小企業診断士試験は、法律上の国家資格」と位置づけられています。

 福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害をもった方に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらクライアント(お客さん)に適切な住宅改修プランを提示します。また福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。福祉住環境コーディネーターの主な仕事として「介護保険制度下での住宅改修に係わるケアマネージャーとの連携」「福祉施策、福祉・保険サービスなどの情報提供」「福祉用具、介護用品から家具までの選択と利用法のアドバイス」「バリアフリー住宅への新築、建て替え、リフォームにおけるコーディネート」などがあります。

 福祉住環境コーディネーターは、3級、2級、1級に分かれており、3級と2級については、受験資格は特にありませんが、1級の受験には2級を合格していることが条件となっています。私は、2003年6月に3級が合格し、2004年7月に2級が合格し、そして、今年(2005年)9月に1級にチャレンジしようと思っております。以前、初めて3級と2級をダブル受験した際にコラム「“福祉住環境コーディネーター”の資格を受験して」を書いていますので、併せてご覧頂けましたら幸いです。

 3級と2級の試験は、マークシート方式の試験のみでしたが、1級は、マークシート方式の1次試験に加え、筆記方式の2次試験もあります。2004年度の各級の合格率をみると、3級の合格率が48.2%、2級の合格率が37.9%、1級の合格率が1.4%となっており、極端に1級の合格率の低さが伺えます。1級の目指すところは、住環境の範囲を個々の住まいにとどまらず、買い物や散歩などで出かける日常生活圏全般に、また住宅として位置づけるべき社会福祉施設までも視野に入れています。さらに、地域社会においてもコーディネーターとして福祉のまちづくりなどにも積極的に助言できるような技量と調整力までを求めています。1級には、この“まちづくり”という視点まで視野に入れていることが私が受験するに至った動機でもあります。そのためのステップとして2級と3級を取得した次第です。

 次に、中小企業診断士について詳しく見ていきます。まず、関連情報として、2005年4月13日に「中小企業新事業活動促進法」が施行されました。中小企業新事業活動促進法は、これまで経営革新法、中小創造法、新事業創出促進法の3つに分かれていた中小企業支援法を1本化したものです。新法となる中小企業新事業活動促進法は、創業や経営革新に加え、中小企業間の連携など「新市場を切り開く」事業への視点に重点が置かれています。創業・経営革新支援税制も統合・強化され、特許料の減免、無利子の高度化融資といった措置も用意されています。

 また、2005年4月26日に経済産業省・中小企業庁が2005年版中小企業白書をまとめ発表しました。42回目となる今回の白書では、わが国の社会構造が変化する中、中小企業の果たす役割などを展望しています。“経営革新”を重要なテーマの一つに掲げています。経営を変えるには、経営者の強い意思が必要、日本の経済を支える中小企業の経営が変われば社会全体が変わると指摘しており、いまだ先行きが不透明な景気を背景に、今回の白書では、中小企業の継続的な経営革新の重要性をあらためてクローズアップしています。ちなみに日本企業の99%が中小企業です。

 中小企業診断士の試験は、マークシート方式の1次試験、記述方式の2次試験、そして口述試験とインターンシップ制を採用した実務補習があります。受験資格の制限はなく誰でも受験できます。2004年度の1次試験・2次試験を通した合格率は3.2%と一発合格はやや難の資格と言えます。中小企業診断士制度は、昭和38年(1963年)に始まりました。背景には、国が中小企業に対して「中小企業基本法」が昭和38年に制定され、同法に基づく指導体制の根拠法規となる「中小企業指導法」により試験が始まりました。

 その後、中小企業診断士制度は1999年12月の中小企業基本法の改正で、診断士としての立場が公的診断の補助員から民間コンサルタントへ抜本的に切り替わりました。同時に試験も大幅に変更されました。その際に、法施行の5年後(2005年4月)をめどに制度の見直しを実施することになっていました。2005年2月には見直し案を公表、パブリックコメントの募集を行い、最終調整して4月に答申されています。主な変更点は、総数の拡大と質・信頼性の確保・向上を目指し、資格の更新登録要件などの内容を大幅に厳格化しています。

 中小企業診断士制度がより厳格化され、資格としての価値がより高まっていく流れを見て、今回受験してみようと思った次第です。今回紹介しました“福祉住環境コーディネーター”と“中小企業診断士”は、冒頭で述べた会計士や弁護士などのように資格があるから仕事ができるという独占業務ではありませんが、資格をどう生かすかはその人自身にかかっていると言えます。私は、まちづくりにプロとしてやっていく上で、“福祉住環境コーディネーター”と“中小企業診断士”の両方の知識・技能が必要という思いから受験してみようと思った次第です。

 皆さんも何かの資格取得を目指してみられてはいかがでしょうか。最後にご参考までに、中小企業診断士の一次試験は2005年8月6日と7日の2日間(申込み手続き:5月23日〜6月6日)で、福祉住環境コーディネーター1級の一次試験は、2005年9月4日(申込み手続き:6月14日〜7月15日)です。両資格とも受験の申込みはこれから(2005年5月1日記載時点)ですので、ご興味のございます方は受験を検討されてみてはいかがでしょうか。

By Nagura

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