第6回全国商店街情報化フォーラムに参加して

記:2004.12.14

 2004年11月5日に東京で行われました「第6回全国商店街情報化フォーラム」に、2年フォーラム風景ぶりに参加してきました。これまでに参加した全国商店街情報化フォーラムのコラムは、当ホームページのコラム「第4回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第3回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第2回全国商店街情報化フォーラムに参加して」で紹介してますので、併せてお読みいただければと思います。

 また、今回、全国商店街情報化フォーラム参加に当たって、日本橋界隈も2年ぶりに見てきました。前回(2年前)も、全国商店街情報化フォーラムの際に、日本橋界隈をみてきており、「生まれ変わりつつある東京・お江戸の日本橋(コレド日本橋、三越新館など)を訪ねて(2004.11.5)」「もうじき400年を迎える江戸(東京)の日本橋を訪ねて(2002.10.9)」で時系列的に日本橋の模様がご覧頂けますので、併せてお読み頂けましたらと思います。

 今回のフォーラムの副題には、「商店街情報化のネットワーク連携を中心として」と付いており、基調講演とパネルディスカッションという2部構成で行われました。基調講演は、経済産業省の横山典弘さんより「中心市街地、商店街の活性化支援」というテーマで、さらに、中央大学の細野助博教授より「商店街情報化に期待する」というテーマで話されました。パネルディスカッションは、先進事例の商店街として、「神奈川の川崎市商店街」「京都の四条繁栄会商店街」「東京の烏山駅前通り商店街」「鹿児島の中央地区商店街」の4つの商店街がパネリストとして招かれて行われました。一番上の画像は、基調講演が行われている会場の様子を写したものです。

 今回のパネリストで出られた商店街は、既にいろいろなところで紹介されているいわゆるメジャーであり、当方も何回も聞いており、これまでコラムや視察レポートでも紹介してきました。インターネットの普及段階を終えた今だからか、急速的な情報化による人間的なぬくもり的な回顧現象もあるのか、今回フォーラムを聞いていて、商店街の情報化という視点では、ある意味、出尽くしたというか新たな視点が求められている感を受けました。これまで、6回の全国商店街情報化フォーラムでは、カード化事業、ウェブや携帯サイトによるネット販売、駐車場管理システムなど様々な取り組みが紹介されてきて、数年前までは、毎回新たな活用の仕方などの発見がありました。これでもかこれでもかというような新しい手法の提言から、その手法を如何に有効的に活用していくのかにとことん視点を詰めていく時かも知れません。

 今回のコラムでは、情報化という視点にこだわらずに、商店街を取り巻くまちづくりの動向をみていきます。そして、それらの動向を如何に情報化と絡めて、商店街の活性化、中心市街地の活性化に結び付けていくことが大切だと思います。顔が見える情報化戦略が強く求められているのだろうと思います。

 師走を迎え、今年(2004年)の商店街を取り巻く話題して印象に残っているのが、東京・世田谷区の産業振興基本条例の一部改正(2004年4月施行)です。多くの商店街で頭の痛い問題の一つとして、商店街振興組合への加盟店の減少があります。廃業による加盟店の減少もありますが、商店街の中にある大型店やチェーンストアなどがなかなか入ってくれないというのが現状です。こういった問題を打破しようという取り組みが、世田谷区の産業振興基本条例の一部改正です。商店街で営む大型店やチェーンストアなどすべてを対象に、商店街振興組合に加入し、商店街・地域活動を促進する内容を文面上に盛り込みました。

 条例そのものの罰則規定はなく、努力義務ですが、画期的と言えます。どのような文面か載せますと、事業者の責務として「商店街において小売店等を営む者は、商店街の振興を図るため、その中心的な役割を果たす商店会への加入等により相互に協力するよう努めるものとする」「商店街において小売店等を営む者は、当該商店街が地域の核としてのにぎわいと交流の場となるのに資する事業を商店会が実施するときは、応分の負担等をすることにより当該事業に協力するよう努めるものとする」が条文として示されています。

 あと、最近話題として、2004年12月1日から自主防犯活動用に保安基準の見直しがされ、青色の回転灯が認められました。背景には、治安に対する不安や自主防災意識の高まりがあります。三重県四日市市別山地区(別山安全なまちづくり推進委員会)で、青色回転灯を用いた防犯パトロールが始まったことをきっかけに、世論を議論を巻き込んでいろいろありましたが、最終的に国が道路運送車両の保安基準を緩和に踏み切りました。警視庁は街頭での防犯抑止対策として「自主防犯活動の支援を促進し、警察と地域社会の一層の連携強化を図る」と基本方針を盛り込んでいます。当方の住んでいる安城市でも、地域住民と警察が連携を図ったパトロールを毎週金曜日の夜に行っており、全国各地で警察が積極的に地域住民の後押しをする取り組みが見られるようになってきました。

 また、同じ月の2004年12月17日には、「景観法」が施行されました。ようやく我が国でも、街のたたずまいを守り、育てていこうという動きを後押しする法律ができ、期待されています。背景には、景観と開発をめぐる紛争が各地で広がっていることがあります。これまでの開発事業などを見ていますと、街並みとか風景などの配慮もなく大規模な乱開発も多々見られ、「景観法」の施行で、世界の先進国並みの制度ができあがったと言えます。景観法の基本理念として、「良い景観は国民共通の資産で、住民や行政、業者が力を合わせてその実現に努める」と謳っています。

 景観法の特徴として、景観を壊させないための強制力も持たせています。自治体が「景観計画区域」を決め、建物のデザインや色彩が周囲にそぐわないようなら、変更命令を出すことができます。より強制力が強い「景観地区」も都市計画区域内に設定できます。また、地域の住民やNPO(非営利組織)に景観計画を提案する道も開かれています。ヨーロッパには、美しい街並みがたくさんありますが、我が国でも景観法をきっかけに、美しい街並みが増えていくことを期待しております。街並み、風景というものが、そのまちのブランド(価値)となっていく時代を迎えています。

 最後に、旬な話題として、来年度(2005年度)大規模小売店舗立地法(大店立地法)の指針の見直しがあり、ほぼ見直し案は固まってきていますので紹介します。必要駐車台数の基準などは実態に合わせて緩和する一方、深夜営業や悪臭対策では生活環境の保全に向けて適切な対応を求めています。そして、先ほどの青色回転灯の地域防犯の高まりもあり、防犯や青少年の非行防止に配慮する項目が追加されています。街並みづくりでは、施行されたばかりの景観法の景観計画・景観地区への対応も盛り込まれています。

 さらに、大規模小売店舗立地法(大店立地法)の指針の見直しでは、世田谷区の産業振興基本条例に関連する項目として、別文書で、大型店の地域社会への貢献を「企業の社会的責任」と明記しています。大型店を地域密着型産業と位置づけ、地域への貢献まで踏み込んでいます。今回のコラムで紹介しました今年のまちづくりにおける話題が、大店立地法の指針の見直し案に盛り込まれているのがお分かり頂けたことと思います。

 まさに、新たな商店街における個店と大型店・チェーン店との連携が進んでいく時代を迎えています。このような時代に向けて、商店街振興組合も生まれ変わって、地域に根ざした事業主体となりうる組織強化を図っていく必要があります。それには、商店街を新たな組織体として再生を図っていくとともに、細かく分かれた商店街の再編も視野に入れていく必要があります。大店立地法の指針の見直し案には、大型店の社会的責任まで踏み込んでいるだけに、商店街そのものも、地域への社会的責任を果たしていくという心意気をもって積極的な活動を行っていって欲しいものです。

By Nagura

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