私自身も1年半あまり利用しているETC(ノンストップ自動料金収受システム)について考察する

記:2004.11.6

 最近、よく聞かれるようになってきた言葉ですが、皆さんは、ITSという言葉をご存知でしょうか。先月、名古屋でITS世界ETCイメージ会議(2004年10月19日〜24日)もありました。ITSは、Intelligent Transport Systemsの頭文字をとったもので、高度道路交通システムと訳されています。ITSとは、渋滞や交通事故を減らし、利用者がより快適になるように最先端の情報通信技術などを活用して創り出す新しい道路交通システムの総称のことです。自動車社会が抱える環境問題の解決にも寄与していきます。

 ITSという言葉だけ聞くと、わかりにくい言葉ですが、一言で言えば、だれもが簡単に利用できる優しいシステムと言えます。最先端の情報技術を使い、人やクルマが移動する際の安全・快適・バリアフリーを実現しようというものです。ITSに関しては、4年半以上前ですが、コラム「ITS(高度道路交通システム)について考察する(2000年5月)」でも取り上げておりますので、併せてご覧頂けましたらと思います。4年半ほど前に比べ、より現実的なものになってきており、今回のコラムでは、最新情報も含め考えていきます。

 ここまで、ITSの言葉の意味合いを紹介してきましたが、既に、実現して、皆さんが使われているもの(普及して)も多くあります。その中の代表的なものがカーナビゲーションや高速道路など有料道路の料金所を止まらずに通過できるETC(自動料金収受システム)などです。ETCに関しては、以前に、コラム「本格稼動した“ETC”を考察する(2001年5月)」でも取り上げておりますので、併せてご覧頂けましたらと思います。

 私は、以前に技術者として、自動車関連の設計や開発に携わっていたこともあり、車関連の機器には、実際に使ってお客様の視点に立つという仕事絡みの意味合いもありますが、興味があり、また、新しもの好きな性格も相まって、まっ先に購入していたものです。カーナビゲーションも確か1994年頃だったと思いますが、ソニーの第1号のカーナビを購入しました。出たばかりの新製品を購入したこともあり、テレビチューナーをオプションで付けて、25万円以上出したような記憶が残っています。当時として、高価な大人のおもちゃといった感じでした。

 当時のカーナビは、今の最新版のカーナビとは性能的に問題にならないほどですが、地図上に自分の車の位置が表示された時は、すごいというか、世の中便利になるものが出てくるものだなと驚きとともに、わくわくしたものです。車とは直接関係ありませんが、その他機器関係では、パソコン通信をまっ先に試してみて、その後のインターネットで自宅のパソコン上の画面に世界中の情報が入ってくることにも驚きとともにわくわくしたものです。

 かなり前置きが長くなってしまいましたが、今回のコラムのタイトルでもあるETCを中心に、最近のカーナビ含め、ITS社会をみていきます。ものづくりからまちづくりへと仕事の重心が移ったこともあり、車関係の機器から遠ざかっていましたが、昨年春(2003年4月)に久しぶりに、ETCとともに、ハードディスク内蔵のVICSを付けたカーナビを購入しました。

 10年ほど前に初めてカーナビを使ってみた感激までとはいきませんが、ETCおよび最新カーナビを使い始めて、久しぶりに便利だなと感じた次第です。ETCも使い始めて、1年半ほど立ちますが、一度使ってしまうと便利なもので、手放せなくなります。あってあたり前の機能のような感じになってきます。10年ほど前は、カーナビ含むITS関連機器と言えば、私みたいな新しもの好きな人が物珍しさもあって購入する人が多かったと思いますが、現在は、本当に快適な生活の一部として、カーナビにしろ、ETCにしろ本格的な普及の段階を迎えていると言えます。生活の一部になってきたITSだけに、ひとしおの感激というか驚きは薄れていますが、実用段階を迎えているのが実感できます。

 実用段階を迎えたITSを市場から見ていきたいと思います。カーナビは、2003年度末の累計出荷台数が1700万台となっています。2005年度末には2500万台、2007年度末には3400万台の出荷が予測されています。また、先ほど、VICS搭載のカーナビを購入したと述べましたが、これまでに出荷されたカーナビのうち約8割にVICSが搭載されています。VICSとは、渋滞や事故、所要時間などの道路交通情報をカーナビでリアルタイムで知ることができるシステムです。

 ETCの市場性をみますと、2003年度の販売台数は前年比3倍の180万台で、2004年9月26日現在で、利用者は370万台を超えています。2006年度から2008年度に年間300万台前後を見込んでおり、2008年度末の累計販売台数は1600万台になると予測しています。その他、最近では、高級車に緊急通報システムを装備したものも出てきています。緊急通報システムとは、事故や故障、急病の時などにカーナビや携帯電話を通じてオペレーターに接続し、状況に応じた措置をサポートするシステムです。エアバックが作動すると自動接続するものもあります。あと挙げるとすれば、出合い頭追突防止システムで衝突の危険を回避する機能も昨年あたりから各社が出してきています。サラリーマン時代には、このあたりの開発にも携わっていました。また、来年の愛知万博では、会場で無人走行する「バス自動走行システム」がお目見えします。

 最後に実証実験を行っている最新情報を記載いたします。2004年10月中旬から順次、スマートICの社会実験が全国20カ所の高速道路のサービスエリアとパーキングエリアで始まっています。スマートICとは、高速道路に新たに設けるETC専用の出入り口で、サービスエリアやパーキングエリアを通じて高速道路に出入りするタイプや、一般道から直接高速道路へ接続するものも考えられています。料金所渋滞が減り、遠回りをしなくても高速道路に出入りできるといった特徴があります。そして、コスト面では、ETC専用のインターチェンジをつくった場合、現在のインターチェンジ建設に比べ、格段にコストが下がります。

 今回のコラムでは、未来の車社会、安全で便利な交通社会を担うITSを身近なETCやカーナビを通してみてきました。車も単独でなく、いろいろなところと結びあって、ネットワークが形成されている様子が伺えたのではないでしょうか。より快適な社会になっていきますが、最後は、機械だよりでないひとりひとりの安全運転が求められています。より快適なシステムをうまく活用しながら、安全運転を基本においたカーライフを超えた新しい生活様式を楽しんで頂けたらと思っております。

By Nagura

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