“人にやさしい街づくり連続講座”を受講して

記:2003.11.3

 2003年度の愛知県主催の「人にやさしい街づくり連続講座」を受講して参りました。2003年7月12日(土)から10月11日(土車いす体験・名古屋駅)までのほぼ毎週土曜日に開催されました。今年の全体テーマは“まちとくらしにやさしさを広げる”というものでした。講座終了後は“人にやさしい街づくりアドバイザー”として登録され、それぞれの地域で人にやさしい街づくりの取り組みを推進していくアドバイザーとして活躍していきます。

 「人にやさしい街づくり連続講座」は、1994年に「愛知県 人にやさしい街づくりの推進に関する条例」を定めたことが発端となっています。1995年以来毎年開かれており、今年で通算15回目(名古屋開催9回、東三河開催6回:東三河は1998年から実施)を迎え、これまでに600名を超える“人にやさしい街づくりアドバイザー”を輩出しています。今年は実際に受講いたしましたが、昨年は、人にやさしい街づくり連続講座における公開講座に参加させて頂いた際に、コラム「“人にやさしいまちづくり”について考察する」で紹介しておりますので、合わせてお読み頂ければと思います。

 今年の「人にやさしい街づくり連続講座」は、「知り合う」「気づく」「学ぶ」「行動する」「広げる」という流れで進められました。「知り合う」では、今回受講者は50名ほどの参加で、愛知県から実施受託を受けているNPO法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海のスタッフが30名ほどで総勢80名の方々との出会いがありました。「気づく」では、一番上の画像で見られますが、車いす体験を通して、さまざまな発見がありました。車いす体験の模様は、後ほど詳しく述べAグループ発表風景ます。「学ぶ」では、障害をもった方々や人にやさしい街づくりに携わっている大学の先生方から座学という形で学びました。「行動する」では、受講者50名を5つのグループに分けて、各グループで企画をつくってその課題に対して、実際にフィールドワークをしながら提案レポートをまとめました。このグループ企画が一番のメインであり、たいへんでもあり、その分、学ぶところも多かったです。こちらの模様も後ほど紹介いたします。「広げる」では、上記のグループ企画で出会った方々を交え、交流会が最終日に行われました。

 今回の講座の特徴は、大学生から78歳のたいへん元気なお年寄りまで年齢層の幅が広く、さらに、障害をもった方々も多く参加されており、障害をもった方と健常者が共に学び行動し合った、他の講座ではなかなか体験できない貴重な時間を過ごさせて頂きました。これまで、いろいろな市民の集まりや市民団体、NPOなどの集まりに参加していますが、ここまで膝を突き合わして、障害をもった方々と議論を交わしながらグループレポート作成という共通の目標に向かうことは初めてでした。また、大学生の方々が夏休みを返上してまで、積極的に素直な姿勢でまちづくりを学んでいく姿を見ていますと、頭が下がるとともに、たいへん頼もしく、次の世代も安泰だなあと安心感も持ちました。少し残念な点は、高校生向けのまちづくり講座でもそうですが、男子高生がほとんどいなく女子高生が多いように、今回も、女子学生の積極性が目立つなか、男子学生は一握りほどでした。産学連携などで、いろいろな学生たちに接する機会がありますが、まあ一概には言えませんが、どちらかと言えば、女子学生の“コミュニケーション能力”の高さが目立ちます。

 車いす体験では、5〜6名ずつ1グループとなって、名古屋市内各地に実際に車いすに乗っていきました。我々のグループは、一番上の画像でお分かり頂けると思いますが、名古屋駅界隈に行きました。一番上の画像は、JRセントラルタワーズの高島屋前の名古屋駅コンコースを車いす体験している様子を写したものです。この車いす体験の大きな特徴は、朝10時から夕方4時頃まで、車いすに乗り続けて体験する点です。それも、地下鉄に乗る際も、昼食をとる際も、車いすのまま、駅員や一般の方々に手伝ってもらったりしながら行いました。車いすをほぼ一日にわたって乗っていますと、ちょっとした段差が乗り越えられなかったり、歩道にあふれた自転車で通りづらかったり、駅員、お店の人の親切な対応、通りすがりの方からの温かい言葉や助けを頂いたり、さまざまな発見がありました。

 最後に、今回の講座のメインでもあったグループワークで行った様子を紹介します。上から2番目の画像は、グループワークで行った内容を発表している風景を写したものです。我々のグループは、「弁天通商店街における人情・ふれあいの場をつくる」という企画を考えました。メンバーの中に名古屋市西区にある弁天通商店街界隈に住んでいらっしゃる方がおり、弁天通商店街が中高年にやさしい商店街づくりを行っているという話を頂き、さらに、障害をもった方にもやさしい商店街づくりを提案できないだろうかと考えました。弁天通商店街については、視察レポート「名古屋の下町・弁天通商店街を訪ねて」で紹介しておりますので、合わせてご覧頂けたらと思います。

 上記のテーマを3週間にわたって、障害をもった方、健常者分け隔てなくメンバー全員が力をあわせて行いました。このグループワークを行っていく中で、最初は、障害をもった方とお互いにどう接したらいいのか戸惑う場面もありました。しかし、3週間にわたって、時には、お互いの思いをぶつける意見のやりとりもありましたが、そのような過程を行っていく中で、障害を持つ人、持たない人という枠が自然と取り去られていきました。今では、私含めメンバー全員が、障害をもった方と自然に接する仲となり、グループワークのレポートという成果物より、その過程を暑い夏の最中(残暑厳しき折)一緒に汗を流しながら行って、お互いに交流を深めれたことが一番の宝物だったように思います。

 若干補足として、作成しましたグループレポートの概要を示します。弁天通商店街に対して、提案という厳かなものではなく我々生活者としての視点から、目に見えるバリア、目に見えないバリアという2つの視点からまとめました。目に見えるバリアへの思いとして、弁天通商店街におけるバリアフリー度マップを作成しました。バリアフリーの商店街づくりと障害をもった方が弁天通商店街へ買い物に来る際のマップとして活用して頂ければと作成しました。目に見えないバリアの思いとして、我々が今回のグループ企画を通して、障害をもった方と自然に接する仲となったように、弁天通商店街の広い歩道や人情味のある下町商店街ならではの風情を生かして、障害をもった方と健常者とのふれあいの場を商店街の中でつくれないだろうかという思いを伝えました。

 来年も、名古屋と東三河の都市の2カ所で開催されますので、地域でまちづくりに関わっていらっしゃる方、これから地域に関わっていこうと考えていらっしゃる方など是非参加されたらと思います。講座そのものは、3カ月にわたってなかなかたいへんな面もありますが、そのたいへんさだけ、出会いや新たな発見などあり得られるものも多いと思います。また、多くの学生の皆さんの参加も期待しております。大学も開かれてきており、社会人学生など徐々に増えてきているとは言え、まだまだ大学内では、ほぼ同年代の横のつながりが多く、それはそれで大切ですが、この講座に出ますと、年齢層は幅広く、障害をもった方も多くおり、さまざまな立場の方から縦のつながりという観点で、より実践的に学ぶ点が多く、インターンシップとはまたひと味違った社会との接点として学べる場と思います。貴重な経験になると思います。

 最後に、今回の「人にやさしい街づくり連続講座」で苦労を共にしましたグループメンバーの方々はじめ、受講生およびNPO法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海のサポーター、実行委員のスタッフの方々に紙面(ホームページ・メールマガジン上)を借りまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。たいへん有意義な講座でした。

By Nagura

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