“コミュニティビジネスがもたらす地域活力”
というテーマで講演を行って

記:2003.8.6

 愛知県豊橋市で開催されました“2003経済セミナー”において、「コミュニティビジネスがもたらす地域活力“住民主体(Nラ・バルカ/パン工房PO)および商店街での取り組み事例を通して”というテーマでお話させて頂きました。地域住民の方を中心に、コミュニティビジネスを研究されている行政のグループの方々含め、40数名の方にお聞き頂きました。平日の昼間にも関わらず、自分たちの地域を何とかしようという志しのある方に集まって頂き心強く感じました。

 コミュニティビジネスとは、一言で言うと「地域の困った問題を地域住民自らが解決していくビジネス」と捉えることができます。コミュニティビジネスについては、コラム「コミュニティ・ビジネスを考察する(2001.6.2)」コラム「講演「〜今、コミュニティビジネスが面白い!」を聞いて(2002.8.1)」で紹介してありますので、併せてお読み頂けましたらと思います。

 また、今回の講演の前に、豊橋の中心市街地を歩いてきました。以前に視察レポート「豊橋市の中心市街地を訪ねて」「学生たちが商店街で活躍する豊橋市中心市街地を訪ねて」上で豊橋を紹介しておりますので、合わせてご覧下さればと思います。講演の前に、まず、中心市街地を視察するにあたって、豊橋商工会議所内にある「(株)豊橋まちなか活性化センター(TMO)」で、数々の資料を見るとともに頂いてきました。ここには、豊橋市内にある豊橋技術科学大学、愛知大学、豊橋創造大学の各大学の資料も豊富にそろっていました。数々ある資料のなかで、目を引いたのが、「人にやさしい豊橋まちなか散策マップ」です。車いす対応のトイレやお勧めの注目スポットなどがわかりやすくマップ上に描かれています。

 ちょうど、今年度、愛知県の人にやさしい街づくり連続講座に出ており、先日、一日中、名古屋駅界隈を車いす体験したこともあり、このようなマップがあれば便利だなあと感じた次第です。「人にやさしい街づくり連続講座」は、今年(2003年)10月まであり、終了しましたらコラムで紹介したいと思っておりますので、お楽しみお待ち下さいませ。ちなみに、昨年は、受講生ではありませんでしたが、公開講座で一般参加した際にコラム「“人にやさしいまちづくり”について考察する」を書いておりますので、ご覧頂けましたらと思います。

 今回の講演では、「コミュニティビジネスとは、何か」ということをわかりやすくご説明するとともに、東京のアモールトーワの事例三重県四日市のコミュニティレストランの事例愛知県瀬戸市兵庫県三田市の学生の事例、高浜市と日本福祉大学の事例京都の西新道錦会商店街の事例などパワーポイントで画像をご覧いただきながら、豊橋という地域において、どう事例を活用して生かしていくかというポイントを述べさせていただきました。講演時間は、1時間30分程度でしたが、今回の話を参考にして頂き、地域住民、商店街、行政などが一体となって、地域のあり方、コミュニティビジネスのニーズなどをワークショップ形式で是非話し合って頂きたいと思っております。ちなみに、当方が住んでいる愛知県安城市では、昨年度、コミュニティビジネスの検討会が、地域住民、商店街、行政が一体となって話し合いが進められました。当方も、地域に住む一市民として、参加させて頂きました。そして、その昨年度の話し合いをもとに、今年度、具体的なコミュニティビジネスの事業展開が進められつつあります。

 一番上の画像は、口コミで大人気の豊橋市中心市街地・花園商店街にある「花園パン工房“ラ・バルカ”」を写したものです。講演前に、以前から豊橋の友人たちに伺っており、訪ねてきました。花園パン工房“ラ・バルカ”は、今年(2003年)3月30日にオープンしました。“ラ・バルカ”とは、スペイン語で「小舟」という意味で、どんな小さな舟でも、漕ぎ方次第で、どんなに大きな波でも乗り越えられ、みんなの力で乗り越えてみせるという思いが込められています。焼き立てパンが人気の“ラ・バルカ”には、7名の従業員のうち、3名が障害者の方です。代表の夏目さんが“ラ・バルカ”を通して発信したいことを次のように述べています。「それは、障害者でも、人として当たり前の生活ができるということ。それはイコール福祉ではなく、選択肢があるということ。健常者のように、本人に自信がない時に本人が“福祉”を自分で選択できるということ。“福祉”を選択しない場合は、その本人を受け入れる枠が沢山あるということ。そういう街で、社会で、あって欲しいと心の底から願っている」と。豊橋に行かれた方は、人気スポット“ラ・バルカ”でパンを買われてはいかがでしょうか。

 話をコミュニティビジネスにもう一度戻しまして、先ほど、事業化にあたって、地域住民、商店街、行政などが一体となって進めていくことが重要であるということを述べましたが、豊橋市では行政サイドの意識改革が進んでいます。今回、コミュニティビジネスを研究されている豊橋市の職員グループが参加されていらっしゃったことからもその意気込みが伺えます。豊橋市では、今年(2003年)6月に、市の職員の「豊橋市人材育成基本方針」として“自ら進んで行動する自立型プロフェッショナル職員への挑戦”を掲げました。基本方針のなかでは、数々の方針が打ち出されていますが、そのなかでも、今回のコミュニティビジネスと関わりが深い文面として以下のような記載があります。「職員は、市民とともに歩み、市民の目線で考え、市民のために自らの仕事を通して、最高、最善、最良のものを提供するということです。より多くの市民と接し、地域活動に積極的に関わるということです」という記載は、まさに、地域住民とともに、地域の活性化を図っていくために、コミュニティビジネスを考えていこうという姿勢にあらわれと捉えることもできます。

 今回、コミュニティビジネスについて、講演先でもあった豊橋を取り上げましたが、各地域において、地域の課題がそれぞれあると思います。その地域に関わる地域住民、商店街、行政などが自らの課題を自らの手で解決していくのがコミュニティビジネスです。今春からNHKで、木曜夜9時15分から「難問解決!ご近所の底力」という番組をやっておりますが、ご覧になっていらっしゃる方はわかると思いますが、それぞれの地域の抱えた問題や各地域の共通の問題などさまざま挙がっています。まさに、その問題を地域の方が自ら考え、継続的安定的に行っていくのがコミュニティビジネスですので、是非とも、皆さんの地域でも、地域住民、商店街、行政などが一体となって考えられてみてはいかがでしょうか。

By Nagura

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