商店街これからどうなる

記:1997.8.27

 3年ごとに商業動向の調査を行なっている商業統計をみても、調査年を経るごとに小売商業の商店数は減少をたどっています。そして、商店街では、空き店舗が目立つようになってきており、商店街という機能を保つことが難しくなってきています。大型店の出店攻勢などでただでさえ苦しくなっている現状に、よりいっそう拍車をかけています。商店街イメージ

 日本全国で商店街の生き残りをかけて、いろいろな取り組みが行われています。それに国も後押しする形で、活性化のための補助金等が用意されています。通産省は、来年度(1998年度)の中心市街地振興に365億円の概算要求を盛り込みました。従来の「点」的な支援から「面」的支援への脱皮を図るものとうたっており、中心市街地の半径500m前後の地域を大型店も呼び込んで、大型店との共存を図った町全体を一体整備するというものです。しかし、一方では、年末の大店法(大規模小売店舗法)のさらなる規制緩和に向けての改正作業を進めています。今回の中心市街地振興予算は、一部では、規制緩和への反対を抑えるためのガス抜きではないかという声も聞かれます。

 そもそも商店街というものを考えてみますと、多くは、人の集まる駅などを中心に自然発生的に発展してきました。そしてモーターリゼーションにより自動車が普及すると、人々の行動範囲は広がり、ロードサイド店、郊外の大型店へと足を伸ばすようになりました。中心市街地に比べ、地価が安く、駐車場も広くとれることも拍車をかけ今では、主流となっているのが現状です。

 このような流れの中で流通業が変遷してきた背景には、時代の流れもあるでしょうが、消費者もそれを望んだということでしょう。しかし、この流れが今後も続くかと考えますと、直感的に続かないだろうと思います。今は、便利さ、効率化等を追い求める方向に振り子が傾きすぎています。また、逆に人間性回帰(自然環境)の方向に振り子が傾きすぎてもうまくいかないと思います。要は両方のバランスがとれた空間の提供が必要であり、そここそが「ほっと一息つける空間」であり、人々がくつろげ、快適に買い物できる場と思います。

 話は変わりますが、この間テレビをみていたら、長野県の木曽馬が絶滅の危機を乗り切るために、木曽馬の保護・育成のために町が施設をつくり、運営している様子をドキュメント風に報じていました。木曽馬とは、背の低いずんぐりむっくりの農耕馬ですが、日露戦争当時は、戦地でも使われていましたが、時代とともに欧米の背の高い馬へと変わっていきました。テレビを見ていてなるほどと思ったのが、その施設で働いている職員が言った言葉です。「木曽馬は、用途がなくなったから減っているのであって、ただ目的もなく増やすだけではけっして増えないだろう。木曽馬の活躍の場(必要とされる場)を作ってやることこそが大切で、その結果増えていくということです」というようなことをおっしゃってました。

 これを聞いて、商店街でも同じことが言えるのではないかと思ったのです。全国のいろいろな商店街で、カラー舗装、街路整備、各種イベント、空き店舗対策などで活性化を図ろうと取り組んでいますが、短期的な視点からの発想が多いように見受けられます。だから、一時的に人が集まっても、また閑散としてしまうというところが多いのではないでしょうか。大型店に集客をとられているあせりもあると思いますが、とりあえず人を集めようという気持ちもあるのではないでしょうか。木曽馬の場合と同じように、商店街も消費者に必要とされる場、町全体の中での商店街の活躍の場という視点から考えていくことが突破口を開くのではないでしょうか。

 時代は刻々と変わっています。今、21世紀に向けて変革の時を迎えています。消費者の動向、時代の流れをしっかり見極め、商店街の活躍の場を考えていけば、商店街は新たなコミュニティーの場となりえます。がんばっている商店街にエールを送ります。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ