開港で賑わう“テーマパーク”のような
中部国際空港・セントレアを訪ねて
(日本・愛知)

2005年3月9日、10日・11日・12日、4月14日

 愛・地球博(愛知万博・日本国際博覧会)より一足早く2005年2月17日に開港しました“テーマパーク”のような中部国際空港・セントレアセントレアを訪ねてきました。開港1カ月後と2カ月後の延べ5日にわたって行ってきましたが、たいへんな賑わいで、飛行機の搭乗客より見物客が上回っています。まさにテーマパークのような込み合いでした。一番上の画像は、商業施設のスカイタウンの入り口部分を写したものです。パンフレットを広げて様々なショップを確認している方々の様子が伺えます。

 世界的に見れば、巨大ショッピングモールのような空港は見られますが、国内では、ここまで商業施設を前面に打ち出した宣伝戦略をとった空港は珍しいこともあり、愛・地球博が拍車をかけていることもありますが、予想を上回る人気です。ちなみに、開港当初、1日の入場者が10万人を超えました。そのうち飛行機の搭乗客はわずか4割です。約6万人が見物客で、なんと東京ディズニーランドの1日の平均入場者数約7万人に匹敵する見物客が訪れたことになります。中部国際空港の「エアポートからエアシティへ」というスローガン通り、まさに一つのまちが出来上がった感じです。

 中部国際空港の開港から1カ月間の来場者数は、200万人を超え、搭乗者数は国際線39万人、国内線53万人の計92万人に達しています。商業施設の売上高も27億円と予想を大きく上回っています。さらに、開港2カ月で400万人を超え、2005年4月24日までに約447万人もの人が訪れています。開港直後のような極端に多い日はなくなりましたが、それでも平日で5万人前後、週末や祝日で7万5千人前後を維持しています。

 中部国際空港は、商業施設の充実ぶりが人気となっていますが、空港そのものの使い勝手も非常に良いです。第一に「乗り継ぎ空港としての機能」が充実しておりセントレア、国内線、国際線が同じターミナルビルにあり、乗り継ぎは極めてスムーズです。地方から乗り継いで海外出張するビジネス利用者はじめ旅行利用者にも非常に便利です。次に「主要都市からの行きやすさ」が挙げられます。名古屋駅から最速の名鉄特急で28分という近い距離にあります。さらに、空港駅からチェックインカウンターまでは約300メートルと電車を降りて約5分でチェックインできる点も魅力的です。セキュリティのために国際線のチェックイン時間が早まっている昨今、移動時間を少しでも短くしたい利用者にとって朗報と言えます。

 利便性の高い国際空港としてのベースがあった上で、各種商業施設が充実しています。なかでも、珍しいというか国内初(世界でも初と言えますが)となる中部国際空港の目玉が伊勢湾に面しており、ガラス越しに飛行機の離着陸を眺められる展望風呂です。1時間待ちになるほどの人気の展望風呂ですが、私も実際に入ってきました。私が入ったのは比較的空いた夜8時過ぎでしたが、それでも浴槽から窓の向こうに見える滑走路や飛行機などの夜間飛行のサーチライトなどなかなかの眺めでした。なかでも、やはり絶景は、西に面していることもあり、浴槽から見える海に沈んでいく夕陽だそうです。

 中部国際空港・セントレアの展望風呂“宮の湯”は、午前8時から午後10時(最終入浴受付は午後9時)まで利用でき、海外出張などで海外から朝、空港に着いて、展望風呂でくつろいで一息ついてから出社という使いセントレア方もできます。料金は、大人(中学生12歳以上)900円、小人500円、幼児(6歳未満)200円となっています。“宮の湯”は、展望風呂以外に、寝湯、電気風呂、サウナがあります。さらに、癒し空間のボディケア、エステネイル、ヘアサロン、そして風呂上がりに一杯飲みながら食事ができるお食事処があります。

 2005年3月26日の日本経済新聞に掲載された行ってみたいスーパー銭湯ランキング(東京と大阪の男女800人に調査)では、中部国際空港の“宮の湯”が堂々第1位になっています。ちなみに2位はよみうりランドの丘の湯、3位は万葉の湯の順となっています。なぜ、空港に展望風呂が出来たのかということを紐解いていきますと、今から6年程前の1999年に中部国際株式会社が空港施設のアイデア募集キャンペーンを行ったことに辿り着きます。その際の一番要望が高かった施設が「大浴場・露天風呂・シャワーの設置」でした。しかし、展望風呂の実現までには、様々な苦労や試行錯誤があったようです。通常の銭湯の場合は、地上階部分につくるので問題はありませんが、ここ空港は4階部分に銭湯があり、建物の強度含め、空港ということで、万が一水漏れなどで空港機能にトラブルを生じた場合どうするのかなど様々な問題をクリアして、空港の展望風呂が実現しています。

 ちなみに、空港施設のアイデア募集キャンペーンにおける第1位は「大浴場・露天風呂・シャワーの設置」でしたが、2位以降は「待合室の機能充実(休憩機能・分煙等)」「美味しく眺望の良い適正価格のレストラン設置」「マッサージ・セントレアエステ・フィットネス施設の設置」「託児所・オムツ台・授乳室等子供向け施設の充実」「お土産店・雑貨店・免税品店等ショッピング機能の充実」「ビジネス支援・通信機能の充実」の順となっています。

 展望風呂の話題が長くなりましたが、展望風呂のある4階の商業施設・スカイタウンは、大きく「レンガ通り」と「ちょうちん横丁」に分かれています。上から2番目の画像は、ヨーロッパの路地裏風の街並みをイメージした世界の味と雑貨のショップがあるレンガ通りを写したものです。上から3番目の画像は、展望風呂もある瓦屋根の和風の街並みが広がるちょうちん横丁を写したものです。ちょうちん横丁には、ういろ、天むす、えびせんべいといったご当地名物はじめ、駄菓子屋もあります。

 上から4番目の画像は、2階から1階部分にわたって先端部分まで広がるセンターピアガーデンを写したものです。たいへん緑豊かで、比較的空いておりのんびりくつろげる空間で、家族連れなどが弁当を広げていました。画像からもおわかりいただけると思いますが、大道芸人も出ていました。また、ここの緑あふれるセンターピアガーデンでは、ウエディングも挙げることができます。センターピアガーデンで挙式を挙げ、3階の展望レストランで飛行機を前に披露宴を行って、そのまま新婚旅行に出発できるエアシティウェディングはけっこう人気のようです。オープンスペースでの挙式なので、空港を利用される多くの人々から祝福を受けることができます。3階の展望レストランには、フランス料理の鉄人・石鍋セントレア裕氏がプロデュースするフレンチの「クイーン・アリス」と中華の「トゥーランドット」が入っています。

 新空港の開港に伴う地域という視点でみていきますと、名古屋空港の愛知県営化と中部国際空港開業に伴い、周辺自治体の新年度予算が大きく変わったり、人口増減の変化などで地域において泣き笑いの明暗が出てきています。名古屋空港周辺では、春日井市の約4億円を筆頭に空港関連税収が軒並み減る一方、中部国際空港のある常滑市は税収増に伴い、2006年度に一気に地方交付税不交付団体に浮上します。

 人口の増減をみていきますと、空港開設効果もあって、常滑市と半田市では人口が増えています。2005年3月1日現在の愛知県の人口動向調査が発表されました。愛知県人口は722万381人(男361万884人、女360万9,497人)で、前年同月に比べて約4万6千人増えています。市町村別に見ると、2月17日に開港した中部国際空港のある常滑市で341人、隣の半田市でも292人増えました。一方、県営になった名古屋空港がある豊山町で154人、隣接する春日井市で251人、小牧市で189人減っています。愛知県統計課では「空港職員などの移動が影響したのでは」と推測しています。また、総世帯数は273万5,354人で、前年比1.78%増えています。1世帯当たりの人数は、2.64人で横ばいでした。

 最後に最新情報を記載いたします。2005年4月16日から中部国際空港に利用客の案内や通訳をするボランティアが登場しました。空港独自のボランティアは、国内でも珍しいということです。空港会社の募集で集まった139人が、2人1組で都合がつく限り毎日、到着ロビーや空港駅周辺で活動します。背中にボランティアと書かれたベストを着て、到着ロビーの掲示板の漢字が読めない外国人に意味を教えたり、記念撮影の撮影役を引き受けたりします。ボランティアは愛知県内の人を中心に20歳〜76歳までおり、60歳以上の人が約3割を占めています。英語や中国語など語学に堪能な人も多く、空港会社では「サービスの向上とともに、地元と空港の接点にもなってほしい」と期待しています。

 国内線から国際線、国際線から国内線など乗り継ぎに非常に便利な空港ですので、トランジット(乗り継ぎ)の際のひとときを楽しめる空港となっています。さらに、地元の方にとっては、飛行機を利用しなくてもショッピングなどアミューズメント感覚で楽しめる空港となっています。是非、皆様方もショッピングなど楽しまれて、その後に展望風呂に入って、伊勢湾に沈む夕陽を堪能されてはいかがでしょうか。

By Nagura

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