名古屋の下町・弁天通商店街を訪ねて (日本・愛知)

2003年10月5日・9月7日・8月30日・8月23日

 愛知県名古屋市(人口2,193,278人、932,412世帯:2003年9月1日現在、面積326.45平方キロメートル)西白い牛に乗った弁天様区にある名古屋城からも程近い名古屋の下町・弁天通商店街を訪ねて参りました。弁天通商店街は、子供から中高年にまでやさしい地域に愛される商店街を目指しています。弁天通商店街は、電線地中化工事に、名古屋市の中でもいち早く取り組んできた商店街です。防災という目的が第一でしたが、結果として、非常に広い歩道で歩きやすく、素晴らしい通りとなっています。

 一番上の画像は、弁天通商店街を写したものです。横一線に複数人が歩いている姿からも歩道の広さが伺えると思います。また、弁天通商店街は、広い歩道に加え、画像の中央奥にも見えますが、街路灯が多く、夜でも安全な商店街として夜にウォーキングやランニングをされていらっしゃる方も目立ちます。もちろん、昼間(特に週末など)に散歩される方も多く、ところどころにベンチもあり、花壇の花々もきれいで、そのあたりから中高年にやさしい商店街づくりが行われていると言えます。また、画像の左奥に見える花壇のしっかり手入れされた花々や牛に乗った弁天様がご覧頂けます。弁天通商店街の名前の由縁にもなっている“牛に乗った弁天様”は後ほど詳しく述べます。

 上記の弁天通商店街のハード面に加え、さまざまなソフト面のイベントも数多く行われています。その前に、弁天通商店街の立地・成り立ち、概要を説明いたします。弁天通商店街は、地下鉄・鶴舞線の浄心駅を上がったところにある浄心寺を基点に東に約500メートルにわたって広がる商店街(店舗数60数店舗)です。地下鉄の駅を降りてすぐですので、非常に交通の便はいいです。名古屋駅浄心寺の北東約3キロほどのところにあり、名古屋駅まで車で10分ほどです。曹洞宗・浄心寺は、本尊は如意輪観音で地域の方から“浄心観音”の名で親しまれています。

 “浄心観音”は、寂照禅師が開山し、文化8年(1811年)に旧寺の址に建立されました。堂内に金刀比羅宮、境内に文政元年石碑宝京函印塔、中庭に文化13年の銘がある観音石像があります。縁日には、名古屋の繁華街・栄の近くにある大須観音のある門前町・大須商店街と合わせて、“浄心観音”に訪れるお年寄りが多いようです。上から2番目の画像が、浄心寺(浄心観音)を写したものです。名古屋ならではの広い道路と近代的な建物のなかにある浄心寺は、古いものと新しいものが混在する弁天通商店街の魅力になっています。今では、ビルが立ち並び望めませんが、江戸時代には、ここ浄心から名古屋城の天守閣が真正面に見ることができたそうです。また、この界隈は寺社仏閣が多く、浄心寺の他に、宗像神社、宝塔寺、龍神社、興西寺、武島天神社、上宿神社などあります。

 それでは、弁天通商店街における数々あるソフト面のイベントの一部を紹介します。最大のイベントとして、秋に「ザ・浄心カーニバル」が行われます。100店を数えるフリーマーケット、ハズレなしの大抽選会、山形県最上町の大物産展など行われます。毎月のイベントとして、毎月18日に「いっぷく茶屋」が行われます。「いっぷく茶屋」は、浄心寺の観音様にお参りに来られる方にちょっと一服してみませんか?とお茶とおまんじゅうのおもてなしをするもいっぷく庵のです。弁天通商店街の目玉である広い歩道を活用して、浄心寺の前に席を設けて、先着100名様におもてなしされます。また、毎月3日には、「弁天市」が開催され、弁天通商店街の各店舗でお買得品がいっぱい出されます。同時に七福神めぐりのスタンプラリーも行われます。商店街に鎮座する七福神7カ所をめぐると、ご利益のあるおみくじがひけます。

 あとユニークな取り組みとして、先ほどの毎月18日の「いっぷく茶屋」の日に、浄心寺で、地域の皆さまに暮らしの知恵やノウハウを楽しく伝授する「〜大人の寺小屋〜生活アドバイス塾」が開催されます。参加費無料で、どなた様でも気軽に参加でき、これまでに、商店街の店主たちが、果物を使った美味しい健康法や家電製品の安全な使い方、お米のことなら何でも教えます、個性輝くインテリア術などの講座が行われています。その他、年に数回、地域の皆さんと商店街の方々が集まって、商店主も生活者の視点に立ち返って、生活者に優しいまちづくりなど、自分たちのまちの将来を地域の方々と一緒になって話し合っています。また、変わったところでは、「なごや弁教室」も開催されています。

 弁天通商店街の名前の由来ともなっています冒頭で述べました“牛に乗った弁天様”と七福神について紹介します。牛に乗った弁天様の像が商店街にある背景には、昔、弁天通商店街に牛に乗った弁天様の像があり、時代の流れとともに撤去され、堀川沿いの空き地にひっそりとおかれていたという歴史があります。しかし、ご縁があって再び弁天通商店街に弁天様が戻ってきました。その物浄心交差点語性として、「これは子どもの弁天様が、十数年という長い長い修行の末、元の地にお戻り、そしてお仲間である七福神様をこの地にお連れ賜った」というものです。

 弁天通商店街には、七福神が歩道のところどころに鎮座しており、上記で示したように毎月3日に七福神めぐりのスタンプラリーが行われます。七福神めぐりは、七つの災いを取り除き七つの幸福を与えてくれる神様を巡拝し、福運を授かるものとして古くから行われている風習です。愛知県豊川市の開運通商店街でも、七福神の石像が商店街一帯に7体が配置されており、スタンプラリーや七福神踊りなど行われています。七福神を挙げてみますと「大黒天(自然崇拝の神様)」「毘沙門天(勇気、根性が授かる神様)」「福禄寿(人望、信頼、子孫繁栄が授かる神様)」「弁財天(聡明慈愛、福をもたらす神様)」「恵比須(商売繁盛の神様)」「寿老人(長寿延命、社会平和をもたらす神様)」「布袋尊(笑顔と徳がいつも授かる神様)」の七つの神様です。

 上から3番目の画像は、いっぷく庵というちょっとした無料休憩所のお休み処です。昼間は、人が常駐しており、お茶などのサービスが頂けます。夜は、商店街の方々の打ち合わせの場所としても活用されています。いっぷく庵は、弁天通商店街はじめ、近隣4つの商店街が共同で空き店舗を活用して運営しています。上から4番目の画像は、浄心交差点に高くそびえる市バスのターミナル、生涯学習センター、居住施設、銀行、飲食などの商業施設が入った浄心ステーションビルを写したものです。ここには、昭和45年(1970年)頃まで、路面電車の停車場「浄心電車車庫」がありました。

 弁天通商店街は、歩道も広く、夜も街路灯で明るい近代的な商店街ですが、その一方で、昔ながらの下町の人情味が残っている商店街です。弁天通商店街にある横山商店さんの炭焼きで仕上げる団子は絶品です。また、御菓子所たかはしさんには、店内にドラゴンズグッズ(売り物ではなく御主人がファンで展示されています)がいっぱいです。その他、和装喫茶鈴屋さん、浄心堂書店さん、インテリアコーディネートショップニワヤさんなども、本業の商品以外に、工芸品や山形県最上のアンテナショップがあるなど見所があります。皆様方も一度、広い歩道を散策に行かれてはいかがでしょうか。

 今回、弁天通商店街には、2003年度の愛知県主催の人にやさしい街づくり連続講座の課題レポートにおけるテーマとして取り上げさせて頂き、複数回に渡って、グループメンバー10名ほどで調査等で訪ねました。人にやさしい街づくり連続講座については、コラム「“人にやさしい街づくり連続講座”を受講して」で紹介しておりますので、併せてお読み頂けましたらと思います。今回、弁天通商店街を訪ねるにあたりまして、弁天通商店街振興組合の冨田様はじめ、井上様、丹羽様にご説明いただくとともに、ご案内いただきました。最後に、紙面(ホームページ・メールマガジン上)を借りまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、弁天通商店街の皆さまに、人にやさしい街づくり連続講座の課題レポートのフィールドワークの場として、快くご理解ご協力頂きまして誠にありがとうございました。

By Nagura

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