愛・地球博(愛知万博)を訪ねて (日本・愛知)

2005年5月11日、7月7日、7月10日

 2005年3月25日に開幕し、9月25日までの185日間にわたって名古屋東部丘陵(長久手町、豊田市瀬戸市)で開催愛知万博トヨタ日立館されている愛・地球博(愛知万博・国際博覧会)を訪ねてきました。愛・地球博(愛知万博・国際博覧会)は、大阪万博以来35年ぶりとなります。1997年に愛知県への誘致が決まってから8年の準備期間を終え開幕しました。

 世界121カ国と5つの国際機関に加え、今回の万博では、市民、市民団体、NPOの方々などが多く参加しています。市民が自ら参加する画期的な万博とも言えます。愛・地球博は、長久手会場と瀬戸会場合わせて約173ヘクタールあり、こじんまりとした愛・地球博の原点でもある瀬戸会場には、市民パビリオンがあります。

 上から7番目の画像は、瀬戸会場の市民パビリオンの円筒状の外観を写したものです。実際に見てきましたが、市民が自分たちの活動紹介などフレンドリーにしておりました。万博というと、企業パビリオンや外国館のある華やかな長久手会場がメインとなりますが、華やかさこそありませんが、市民自らが地に足がついた取り組みを紹介している瀬戸会場も一見の価値はあります。長久手会場だけでも、全部愛知万博ドライミスト見るのに数日間かかってしまうため、リピーターの方でないとなかなか瀬戸会場まで足を運ばれないかも知れませんが、行かれた際は瀬戸会場にも足を運ばれたらと思います。

 お徳と言えば、瀬戸会場と長久手会場を結ぶモリゾー・ゴンドラに無料で乗ることができます。ちなみに同じゴンドラの長久手会場内のキッコロ・ゴンドラは600円かかります。上から8番目の画像は、瀬戸会場のゴンドラ乗り場を写したものですが、このゴンドラは空中散歩を満喫できるとともに、住宅地を通る時は、プライバシー保護のため数分間、一瞬にして樹脂上のガラス面を白く曇らせる技術が使われています。また、ゴンドラ以外に両会場の移動には、こちらも無料ですが、近未来バスと言われている燃料電池バス(高圧水素ガスを燃料とした燃料電池と2次電池(ニッケル水素電池)を用いてモーター駆動走行)も走っています。

 愛・地球博の原点と言える瀬戸会場の紹介から入りましたが、一番上の画像は、テレビ中継などでもよく出てくるトヨタ、日立などの人気パビリオンがある長久手会場の企業パビリオンゾーンを写したものです。多く愛知万博(愛・地球博)の人で賑わっているのが伺えると思います。愛・地球博の入場者想定数を1500万人に掲げていますが、開幕当初こそ人出が少なかったですが、5月のゴールデンウィークあたりから盛り上がってきて、8月2日現在で1300万人を超えています。入場者想定数の1500万人を超えるのは確実な勢いで、あと2カ月余でどこまで伸びるか見物です。主催者側は、前売り券のうち使われてない割合が高く、駆け込み入場者でごった返すことを逆に心配しており早めの来場を呼び掛けています。

 愛・地球博のテーマは、自然の叡智(えいち)です。叡智とは、すぐれた知恵、深い知性のことを意味します。自然の持つ素晴らしいしくみや生命の力に感動し、世界中の人々の自然とのつきあい方、自然と暮らす知恵を学び、自然のしくみをと調和した21世紀社会を再構築しようという試みです。一言で言うと、“循環型社会”の実現を訴えています。

 長久手会場、瀬戸会場ともまさに愛・地球博は緑あふれる自然の中で開かれています。長久手会場は、もともと青少年公園として親しまれていた場所で、私愛知万博グローバルループもよく行ったことがあり、会場を歩いていると感覚的に位置関係がわかり、昔、サイクリングした場所だなと感じるものです。それだけ、もともとの地形や自然環境を壊さずに開催されているのが伺えます。

 端的に言えば、もともとの地形を生かしながら、グローバル・ループ(全長2.6キロメートル、幅約21メートル)という空中回廊を設けたような感じです。グローバル・ループは、愛知県産の間伐材や廃木材と廃プラスチックの混合材を使っており環境に配慮しています。人気があり、なかなか予約が取れない「となりのトトロのサツキとメイの家」は、森林体感ゾーンとい森の中にあり、昔のままです。昔の青少年公園をご存知の方は、一味違った楽しみ方もできるかも知れません。

 私はこれまで3回、愛・地球博に行きましたが、そのうち2回は半額で入場できる夜に行きました。暑い季節には、まさに夜がお薦めです。夜間割引は、17時以降から入場でき22時までの5時間楽しめます。昼間より空いていますし、暑さも凌ぎやすいですので、なかなか快適です。また、会場内は、光の演出がされており、会場内の夜景もなかなかきれいです。

 長久手会場は、大きく企業パビリオンゾーン、外国館ゾーン(6つのエリア)、日本ゾーン、遊びと参加ゾーン、森林体感ゾーンなどに分愛知万博バイオラングかれています。長時間行列ができるところも多く、なかなか見たいところがすぐ見れるものでもありませんが、私は、外国館を中心に、企業パビリオンを少しと目玉のマンモスをこれまで見ています。まだ、前売りが残っており、時間があればあと数回くらいは足を運びたいと思っております。

 愛・地球博は、外国館、企業パビリオンなど見所が多くすべてを紹介するのは難しいですので、会場を歩いていて、テーマでもある自然の叡智を感じたドライミストとバイオ・ラングを紹介していきます。

 まず、会場内のあちこちで見られる暑さ対策で活躍しているのが「ドライミスト」です。ドライミストとは、低エネルギー型の冷房装置で、人工的に霧を発生させ、周囲の気温を下げるというものです。いろいろなタイプがありますが、16ミクロンの微少な水滴(ミスト)を3.5メートルほどの高さから噴霧し、水滴が気化するときに周囲の熱を奪う効果を使って気温を2度から3度引き下げるというものです。水滴はほどなく気化し、人がぬれずに済むのが利点です。一瞬のうちに蒸発するのが特徴で、はだに触れても水滴が当たった感じがしなく、通りがかりの人のお化粧くずれの心配もないそうです。エネルギー消費がエアコンの20分の1というドライミストは環境、高齢化などの課題をにらんだ愛・地球博に登場した新技術の一つです。

 上から2番目の画像は、ワンダーサーカス電力館のそばにあるドライミストを写したものです。ライトに照らされて水滴上のミストがご覧いただけると愛知万博スペイン館思います。夏は夜でも暑いですので、ミスト周りは冷気が流れてきて、ひんやりとして涼しさ“涼”が感じられました。ドライミストは、他に、のちほど紹介するバイオ・ラングやグローバル・ループ上にもあります。ドライミストは、名古屋大学と東京理科大学の研究者グループが開発したもので、ドライミストの装置普及をめざすベンチャー企業も立ち上げています。ドライミストは、万博以外でも、つい先日、中部国際空港・セントレアが展望デッキに設置しています。

 次にバイオ・ラングですが、バイオ・ラングとは、上から5番目の画像に見られる巨大な緑化壁のことを指しています。植物が育ってきて緑のじゅうたんのようになっているのが画像上から伺えると思います。バイオ・ラングは、世界最大規模の緑化壁で、愛・地球博の呼び物の一つです。バイオ・ラングとは、生物を意味するBIO(バイオ)と肺のLUNG(ラング)を合わせた名前で「生物の力による都市の肺機構」という意味が込められています。

  バイオ・ラングは、長さは150メートル、高さ12メートル(2本のシンボルタワーの高さは25メートル)あり、垂直花壇による総緑化面積は約3500平方メートル、約200種20万株の植物が生育しています。都市愛知万博瀬戸会場に緑を戻し、光と水と空気の健全な循環を復活させようというコンセプトが根底にあります。都市に緑が戻れば、都市部の気温上昇が避けられ、冷房依存を抑えることができ、植物による二酸化炭素吸収と化石燃料消費の抑制によって地球温暖化の防止に貢献できるというものです。

 都市部の気温が近隣の郊外と比較して顕著に高くなるヒートアイランド減少が年々深刻化している状況のなか、バイオ・ラングの取り組みは期待されています。バイオ・ラングは、垂直に伸びる壁が地面です。そこに植物が必要とする土壌を確保し、給水し、かつ安全に設置することが必要とされています。バイオ・ラングには、造園や建設業だけでなく、金属やプラスチック業界など、多様な業界の38社が参画し、数多くの新しい造園技術が盛り込まれています。2004年12月に施行された都市緑化法も壁面緑化を後押ししています。

 また、三菱パビリオンも壁面緑化に取り組んでいます。巻貝のような形状をしたパビリオンの壁面をぐるりと緑化しています。愛・地球博が開幕した3月はまだ鉄骨部分が見えてましたが、今では、植物が育ってすっかり緑で覆われて、見ているだけでも涼しげに感じます。壁面緑化によって、パビリオン内の冷房エネルギーの低減を図っています。

 最後に、まだ紹介していない画像をみていきます。上から3番目の画像は、長久手会場北ゲートにあるマスコットキャラクターのモリゾー(右側)とキッコロ(左側)を写したものです。森のことなら何でも知っている森のおじいちゃんのモリゾーと生まれたばかりの森の子どものキッコロという設定です。モリゾーと愛知万博ゴンドラキッコロの関連商品が売れており、いわゆるモリコログッズが好調で、会場内の公式記念ショップの当初目標の60億円を開幕から3カ月の6月上旬には突破して、最終的には倍増する勢いです。

 上から4番目の画像は、グローバル・ループの上を走っている乗り物「グローバル・トラム」を写したものです。広い会場を眺めながら楽々移動できます。環境への負担を軽減するため、バッテリー駆動で動いています。また、車いすの方や子どもを載せたカートの方が画像上から見えますが、グローバル・ループはじめ会場内はバリアフリー、ユニバーサルデザインがなされています。ちなみにグローバル・トラムにも車いすのまま乗ることができます。また、電動補助付きの3輪車タイプの自転車タクシーもグローバル・ループ上を走っています。

 上から6番目の画像は、人気のスペイン館の外観を写したものです。スペイン館はじめドイツ館、フランス館、イタリア館などがあるグローバル・コモン3はいつも賑わっています。画像からもお分かりになると思いますが、女性が多く、皆が写真を撮っているのが伺えます。あとスペイン館の写真の撮り方で人気なのが、画像上に見える外壁の陶器でできた六角形の穴から顔を出してグループで撮るのが流行っているそうです。ポイントは顔の部分が暗くなりがちなので、フラッシュを使った方がいいそうです。ちょうど顔を出すのにいい大きさですが、スペイン館のスタッフは、想定外の活用のされ方のようで驚いているようです。また、インド館の中にある池には、お金を投げてお祈りする日本人が多く、そのような習慣がないインド館のスタッフは日本人の行動に驚いているなど、会場内では、いろいろな発見もあります。

 地元に居ながら、愛・地球博にそれほど関心があったわけではありませんが、行ってみると意外に楽しめるものです。環境への取り組みをみたり、市民の取り組みを見たり、先端技術の企業パビリオンを見たり、外国館で海外の文化に触れたり、いろいろ楽しめますので、開催期間は2005年9月25日までですが、まだ行かれてない方は、一度行かれてみてはいかがでしょうか。

By Nagura

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