ショッピングセンター・アズパーク (日本・名古屋)

視察日:1998年11月26日

 ショッピングセンター・アズパーク(AZPARK)は、愛知県名古屋市の西端にあたる中川区にできた商業施設です。1アズパークイメージ998年10月末にオープンしたばかりで、行った時はちょうどオープン30日記念セールの初日ということもあり、平日にもかかわらず込み合っていました。
 アズパークには、食品スーパーの「アオキ」、おもちゃ・子供用品の「トイザらス」、家電・パソコン専門店の「エイデン」、ファッションステージの「あかのれん」の4つの核店舗の他、雑貨、飲食などの専門店が40店舗近く入っています。建物は2層構造で、屋上が駐車場になっています。もちろん、周辺にも駐車場は完備されており、計1,500台の駐車スペースがとられています。上の写真は、アズパーク前面の駐車場からアズパークの外観を写したものです。

 これまで、名古屋市における開発は、名古屋駅を中心として名東区、緑区など東へ東へと進められており、今回視察したアズパークは名古屋の西の玄関口として期待されるとともに、のちほど詳しく述べますが地元住民の熱い思いも担っています。地理的には、アズパークは名古屋高速の名古屋西インターを下りたすぐのところにあり、高速を使えば名古屋駅からですと車で15分ほどという好立地にあります。近くを流れる庄内川からは名古屋駅にそびえ建つツインタワーズ(2000年春開業)が真近に見られました。

 ここでショッピングセンター・アズパークの全体像(計画)と全国でも珍しい試みとも言える取り組みを少し紐といてみます。
 ショッピングセンター・アズパークは、これひとつで完結する商業施設ではなく、大型商業施設「アズタウン」計画の核施設として位置づけられており、アズパークイメージ一足早く先月オープンしたという次第です。「アズタウン」計画は、1999年秋のグランドオープンを目指しており、全体で約10万平方メートルの広さを誇る計画です。すでに95%が確定しており、今回オープンした1万5千平方メートルを占めるアズパークの他に、サガミチェーン、デニーズ、和食のさとなどの飲食店、スポーツ用品のヒマラヤ、娯楽施設のナムコ、ドラッグストア、スポーツクラブなど10数店舗が決まっています。これらの店舗が来秋に向け順次オープンしていきます。行った時も、デニーズが12月4日オープン、和食のさとが12月5日オープンに向け、最後の仕上げをやっていました。また、娯楽施設(PLABO)のナムコの建物もだいぶ出来上がっていました。
 「アズタウン」計画は、名古屋市の区画整理事業を契機に、地権者が一つの核店舗を誘致するだけでなく、有志で土地の管理会社を設立し、自ら専門店などを誘致した全国でも珍しい試みです。名古屋市の開発が東へ東へと進む中、当地域をこのまま放置できないという地元住民の意識が高まっていき、1992年に200人を超す地権者から成る「名古屋市新家特定土地区画整理組合」が発足し、以前に誘致したホームセンターのカーマが好成績をあげていたこともあり、幹線道路沿いに商業施設をつくろうという計画が次第に整っていった模様です。最終的には43人の地権者が土地を貸すことに合意し、土地を管理しテナントを集めたり賃貸料を分配するための会社組織「名古屋西インターモール(村上勇社長)」を1998年1月に設立しています。また、アズタウン全体の年商は、少なくとも250億円超が見込まれています。
 以前に誘致したホームセンターのカーマも、幹線道路を挟んだアズタウンの対面にあります。実際にカーマも覗いてきましたが、けっこう人が入っていました。また、カーマの隣には、家具とホームファッアズパークイメージションの「やすい家具」もあります。アズタウンが来秋にすべて整い、カーマ、やすい家具も含めますと名古屋西部で最大級の商業集積が誕生することになります。

 アズタウンの特徴は、何と言っても大企業主導でも、行政主導でもなく、地域に愛着を持った人たちが構想を実現してきた点です。一般に事業規模が小さくても、開発には組合設立から10年近くはかかっているところが多いことを考えますと、組合設立から6年ほどでオープンしたアズパークは異例の早さと言えます。それだけ地元の人たちの思いが強かったことが伺えます。また、この異例の早さには、地権者が開発の趣旨に合意した場合、換地などを巡る交渉よりも、まず工事を先行させる“名古屋方式”と呼ばれる独特の区画整理の習慣も一役買っているようです。

 話はショッピングセンター・アズパークに戻りますが、文頭でも述べましたように、平日にもかかわらず店内はオープン効果がまだ持続しているような込み合いでした。それだけ近隣住民の方々が待ち望んでいたということでしょうか。ちょうど正午くらいに着いたのですが、飲食店街は待っている人がでているほどでした。2階のトイザらスの前にあるマクドナルド、スガキヤなどが入っているフードコートも子供連れのお客さんでいっぱいでした。
 訪れている客層をみていますと、特にこういった客層が目立つということはなく、子供連れのお母さん、高齢者、若者と幅広い客層が見られました。
 食品スーパーのアオキ(中央の写真が店内を写したものです)もぐるっと店内を回りましたが、惣菜が充実しているのが目につきました。いま頻繁に聞かれるようになったHMR(ホーム・ミール・リプレイスメント:家庭料理(内食)の代用品なる持ち帰りすぐに食べられる惣菜などの調理済み食品などのことを指します)に力を入れているのが伺えます。一番下の写真は、トイザらスの入り口部分を写したものですが、カートに子供を乗せたお母さんたちが多く見られました。

 昨今オーバーストアが叫ばれている中、スーパー、コンビニ、各専門店などの流通業界は、生き残りをかけてスクラップ&ビルドを進めており、店舗の集約も進んでいます。今回、アズパークに出店したエイデンも開業前に商圏が重なる3店舗を閉鎖し、考えられる商品すべてをここに集約させています。
 来秋には、アズタウンに店舗等がすべて整い、グランドオープンを迎えます。これから成功をおさめるかどうかは消費者に支持されるかどうかにかかっています。これだけ地元住民(地権者)が待ち望んでそれも短期間にオープンまで持ってきただけに、今後の展開においても、意思決定のスピードの早さが期待されるだけに、近隣消費者に愛されるショッピングタウンに育っていって欲しいものです。また、地元住民(地権者)の団結力も今後の展開において、忘れてはいけない強みとなることでしょう。

By Nagura

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