“おどり”“鮎”夏の郡上八幡を訪ねて (日本・岐阜)

視察日:2000年7月15日

 夏の郡上八幡(岐阜県郡上郡八幡町の人口:約1.8万人)を訪ねて参りました。郡上八幡がこの視察レポート上に登場するのは今回が2回目で郡上おどり、前回まちづくり交流フォーラムに参加するために秋の郡上八幡を訪ねた際に、視察レポート上で紹介しておりますので、併せてご覧いただけましたらと思います。

 郡上八幡の町並み散策などの概要は前回紹介しておりますので、今回は、郡上八幡の夏の風物詩でもある“郡上おどり”と“鮎の友釣り”を中心に紹介していきます。

 一番上の画像は、郡上おどりを踊っている様子を写したものです。老若男女、多くの方が暑さをまとい踊っている姿が伺えることと思います。郡上おどりは、今から400年前、江戸時代の徳川三代将軍、家光公の時代に始まったとされています。1996年には、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
 私が郡上八幡を訪ねた7月15日の土曜日は、ちょうど踊り初めの日であり、今世紀(20世紀)最後を飾る郡上おどりということで踊り始める前からたいへん盛り上がっていました。式典には、名古屋場所(相撲)が行われていることもあり、今は親方の元高見山も来ていました。郡上おどりは、この日(7月15日)を皮切りに、9月9日までほぼ連夜(30夜、7月と9月は土日開催)にわたって踊り続けられます。なかでも、皆さんもご存じのことと思いますが、全国的に有名なのが、お盆の8月13日から4夜連続で行われる「徹夜おどり」です。まさに、最高潮を迎えるといった感じです。
 一番上の画像で浴衣姿など踊っている写真を紹介しておりますが、翌日の新聞発表によりますと、この日(初日)約7,000人が輪になって踊ったということです。郡上おどりは、おどりの種類が10種類もあり、「かわさき」「春駒」など順番におどり続けられました。初日ということもあり、最初のおどりの後に郡上八幡城上空に郡上八幡の小径花火もあがり、雲が少し多かったですが、それでも夏の夜空を照らしました。八幡町は郡上おどりの期間中、約35万人の人出を見込んでいます。
 踊りが始まる前の夕闇せまる町を散策してきましたが、民家の軒下に堤灯がかかっている町並み風景、堤灯に火が灯り、そして浴衣姿で踊る夜の郡上おどりなどを見ていますと、“日本の夏”という雰囲気がひしひしと伝わってきました。失いつつあるというか現在の便利な生活にどっぶりと使って忘れさられつつある本来の“日本の風景”がかいま見られた感じがいたしました。

 また、この日は、早朝から長良川で鮎の友釣りを体験してきました。海釣りは、たまにやりますが、友釣りは初めてあり、これから紹介していきますが奥深さが実感できました。

 まず鮎そのものの説明から始めますと、鮎はその優美な姿と特別な香気から、日本の川魚の女王とも言われています。硬骨魚綱サケ目アユ科に属します。(アユ科には鮎のほかに魚はみあたりませんが)また、寿命はふつう1年で、年魚とも言われています。
 鮎の友釣りと聞いて、イメージが浮かばない方もいらっしゃるかも知れませんが、河川で川の中に入って、長いさおを立てるようにしてほぼ直立に立っている釣り人の姿を見かけたことはないでしょうか。なぜ川の中に入って釣っているのだろうと不思議に思ったり、一度に2匹も釣れていいなあ長良川鮎の友釣りと感じた方もいらっしゃることと思います。私も今回友釣りを体験するまでは、同様なイメージ・思いを持っていました。

 鮎の友釣りを紐といていきますと、友釣りは鮎独特の釣り方であるとともに、世界に例のない日本独特の釣り方のようです。友釣りは、名前が示す通り、エサを用いないで生きたオトリの鮎を使って、鮎を釣ります。この釣り方は、鮎の特性を利用しています。鮎は自分のエサ場を確保するために、ほかの魚が入ってきたら、体当りして追い出そうとする性質があり、縄張り意識を強くもっています。他の魚にもこの性質は見られますが、鮎の縄張り意識は極めて強く、この性質をうまく利用したのが友釣りです。要するに、オトリの鮎を縄張りに侵入させて、相手を怒らせて体当りしてくるのを待って釣るというものです。

 この日は早朝から6時間〜7時間近くにわたって長良川の中に入って友釣りを楽しみましたが、今まで味わったことのない釣りだっただけに、不思議な感覚を覚えました。まあ一言で言えば、奥深くおもしろく、時間的にゆとりができたら本格的に始めたいと思った次第です。海釣りにはない、生きた魚で生きた魚を釣るという感覚、自分が鮎を釣るわけですが、オトリの鮎をうまく誘導して泳がせないと釣れないだけに、オトリの鮎をポイントに泳がせる難しさ、次第にオトリの鮎がまさに自分の分身のような感覚になってきます。
 上から3番目の画像は、今回釣った長良川を写したものです。川の中に入って釣りましたが、画像上からも岸からみると流れは穏やかに見えますが、実際に川の流れの中に入ると予想以上に流れが強く、川底は石がごろごろして歩きにくく、なかなか厄介でした。しかし、お陰様でご指導していただいた方がすばらしく8匹ほど釣れました。

 画像の紹介を一つ忘れておりましたが、上から2番目の画像は、八幡町内の民家に囲まれた用水沿いに続く“いがわこみち”を写したものです。長さ119メートル、幅1メートルの小さな生活道路ですが、用水には、コイやイワナ、アマゴ、サツキマス、アユなどが泳いでおり、道行く人の目を楽しませてくれます。雰囲気の良さが画像からも伝わることと思います。また、グルメ情報としては、町の真ん中を流れる吉田川にかかる宮ケ瀬橋近くにある屋台で売っているみたらし団子(1本60円)がうまいです。実際に食べましたが、やわらかくおいしかったです。

 今回、町中に水を親しむ空間がたくさんあり、水がきれいなことで知られている郡上八幡を訪ねて参りましたが、きれいと言われている郡上八幡でさえ河川の汚れが進んでいるという危惧する地元の人の声も聞かれます。今回、岐阜市内から長良川沿いを車で上流にさかのぼっていくように車で走っていきましたが、昨日から雨が降っていることもあり、途中、山から長良川に流れ込む濁った茶色の水が見られました。背後の山を見る限り、木々で覆われて緑一色に見えるのですが、保水力がなく弱っていて土砂が流れ出しているのが伺えた次第です。自然の回復力というか治癒力が追いついていない状況が伺え、鮎が泳ぎまわるきれいな長良川を維持していくためにも山を育て本来あるべき姿に生き返らせる取り組みが必要であると改めて感じた次第です。八幡町では、民間と行政が協力して生活排水の浄化など水質保全の取り組みが行われています。

 皆さんも夏休みを利用して、郡上八幡の町並み散策も兼ね、おどりに行かれては、いかがでしょうか。特にお盆の徹夜おどりは、さぞかし盛り上がることと思います。

 今回、夏の郡上八幡を視察するにあたり、郡上八幡の鮎クラブ・北師会の野崎氏にご案内いただくとともに鮎の友釣りのご指導をいただきました。最後に、紙面(ホームページ・メールマガジン上)を借りまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

追記(2003年1月30日):冬の郡上八幡を紹介しました視察レポート“水の都”冬の郡上八幡を訪ねて」も併せてご覧下さいませ。

By Nagura

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