美しい雄大な自然あふれる旭町を訪ねて (日本・愛知)

2003年2月4日

 美しく雄大な自然が広がる愛知県旭町(人口:約3,600人)を訪ねて参りました。旭町は、愛知県で唯一の国土庁(現国土交旭町商店街通省)の水の郷百選にも選ばれています。その他、樹齢1000年以上を誇る愛知県下最大の杉「貞観杉」や「時瀬の大イチョウ」など国、県の天然記念物に指定され、今も生き続けています。

 また、旭町を流れる矢作川沿いには、「奥矢作温泉郷」「奥矢作湖」「黒谷渓谷」などあります。また、山間部に目を向けますと、自然があふれる体験と憩いの場として「旭高原元気村」があります。10数年前になりますが、サラリーマン時代に、職場の皆で旭高原元気村に行って、オリエンテーリングやバーベキューをした記憶が残っています。今回は、それ以来で旭町に本当に久しぶりに行ってきました。旭高原元気村にも行こうと思っていましたが、山道に雪が残っており、途中までは行きましたが断念した次第です。

 今回、旭町には、旭町商工会が主催している平成14年度旭町21世紀商工振興支援事業のワーキングにおける講演で招かれて行って参りました。新しい地域の魅力づくりへの視点(国内外の現場視察・取り組み事例を通して)という題目で話してきました。1時間近くお話させて頂いた後に、1時間半近くメンバーの皆さんと旭町のまちづくり、魅力づくりについて熱い議論を交わしてきました。メンバーの皆さん方の意欲というか熱意が感じられ、まちづくりに関わっている当方としてはたいへん心強い好印象を受けて帰ってきた次第です。

 講演が夜7時からだったので、午後過ぎには、旭町に入旭町矢作川って、町内をいろいろと視察してきました。旭町には、公共機関というべき鉄道はありませんが、トヨタ自動車の本社のある豊田市からは車で1時間かからないくらいの距離でそれほど不便でもありません。いわゆる今流行のプチ整形とかプチ断食などのような言葉で言い表わしますと“プチ秘境”といったところでしょうか。この少し秘境というところが今の時代に受けていることもあり、都市部から比較的近いところに自然が楽しめる空間が広がっている旭町は、魅力のいっぱい詰まった宝箱のようなものです。これをどう生かすかが旭町の人々に課せられた課題であり、今回、話し合いをしていて、十分議論が煮詰まっている段階を迎えているように感じ、あとは“行動あるのみ”という印象を強く持ちました。

 あと、今回の講演および話し合いの場に、名古屋在住で、旭町にガラス工房を開いているガラス作家の桑原さんと言う女性の方が参加されていらっしゃいました。地元の人だけでなく、旭町を好んで工房を開いた方も一緒に参加されている点が素晴らしいと感じました。なかなか町内の方だけですと、身近すぎて旭町が本来持っている良さが見え隠れしてしまうことがあるので、その観点から外部からの視点というのは非常に重要です。今回、話し合いの場で、桑原さんの意見を伺うなかで、旭町の素晴らしさを再認識させられるとともに、旭町を愛されている思いが伝わって参りました。旭町に住んでいる住民の方とこのような外部応援団的な方と手を取り合って連携していくとおもしろい魅力あるものが出来上がっていくことと思います。旭町山並み風景さらに、もっと芸術家を呼び込んだり、大学生や高校生などの学びのフィールドの場として、新しい感性を取り込んでいくことも地域の魅力づくりには必要な取り組みだろうと思います。いわゆるまちづくりの講演会などで良く言われる“若者、バカ者、外者”がまちづくりには必要といったところです。

 先ほどのガラス作家の方は、名古屋在住と行っても、名古屋市の東にあたる名東区に住んでいらっしゃり、旭町までは1時間余で来ることができるそうです。ここ旭町は、鉄道網はないとは言え、名古屋市東部、豊田市という大都市圏から非常に便利な立地と言えます。ちなみに、そのガラス作家の方は、吹きガラス、ステンドグラス、バーナーワーク(昔は石油ランプの炎を使っていろいろなガラス器物を作っていたので、ランプワークと呼ばれていましたが、今ではバーナーを使っているのでバーナーワークと呼ばれています。トンボ玉や根付け玉など)、フュージング(ガラスの粉を敷きつめて炉で焼く手法)などを手掛けていらっしゃいます。

 画像の説明が遅くなりましたが、一番上の画像は、旭町の中心部にあたる旭町役場辺りで、小渡温泉のある商店街を写したものです。画像のなかに、名物“いちご大福”というのぼりがご覧頂けると思いますが、豊田市と加茂地域で行っている「とよた・かも銘菓推奨品コンテスト」で選ばれました“御菓子処 ひだや”のお店です。ここひだやさんでは、“長寿柿”と“山栗”という和菓子がとよた・かも銘菓推奨品に選ばれています。行った時は、残念なことにちょうど休みで、買うことができませんでした。

 そこで、旭町内には、もう1軒とよた・かも銘菓推奨品に選ばれている少し岐阜県方向に走ったところにある“菓子処 松栄軒”を訪ねて足助花もみじきました。お店の主人にお話を伺ったところ、とよた・かも銘菓推奨品に認定されてから、遠方からも商品の指名買いで来られる方も多く好影響が出ているとのことです。松栄軒さんでは、とよた・かも銘菓推奨品に認定された“栗ひとつ”“いもきんつば”“栗てまり”を買ってきました。お世話になっている客先にもお土産で持って行きましたが、なかなか好評で、私も実際に食べましたが美味でした。また、松栄軒さんで今売り出し中で、中日新聞にも取り上げられた“トマト大福”をおまけで頂きました。このトマト大福は、なかにミニトマトが入っており一口サイズで食べられ、食してみて何か健康に良さような感じを受けました。上から2番目の画像は、旭町を流れる矢作川を写したもので、上から3番目の画像は、旭町の山間部を写したものです。

 上から4番目の画像は、旭町に行く前に昼食で立ち寄った隣町の足助町に昨年(2002年)11月にオープンした「かあさんの店 花もみじ」の外観を写したものです。「かあさんの店 花もみじ」は、まちの活性化を手助けしたいという思いから地元の女性たちがレストラン経営に乗り出してオープンさせたものです。農山村の活性化を目指して活動する足助町生活改善実行グループの女性23人が、340万円を出資し、足助で林業の停滞で閉鎖されていた共有林の組合事務所を改築して店舗にしました。女性23人は、主婦や学校や幼稚園の元教諭らが中心でレストラン経営には全く素人ばかりです。初期費用の約2,400万円の8割ほどは県と町の補助金で賄っていますが、地元の女性たちが340万円というお金を自らの身銭をきって挑んだところがすごいです。

 店内で、地元で取れた食材を生かした“とろろどんぶり”を食べてきました。煮物やサラダなども付いて、ヘルシーでおいしかったです。店内は、40席ほどで落ち着いた色調でまとめられ、囲炉裡(いろり)もあります。テーブルなどは地元産の杉を使い、座布団は女性たちが一つずつ作ったものです。「かあさんの店 花もみじ」の経営方針は、「地元の新鮮で安心できる食材にこだわる」「農業が見える料理づくりで、地域農業の魅力を紹介する」「おふくろの経験や知恵を生かした店づくり、商品づくりに努め、生きがいの場とする」となっており、足助のまちへの思いが詰まっています。

 女性たちが生み出した人気商品に「あすけんぼう」(1本200円)があります。これは、煎った玄米を混ぜた米を炊き、長さ30センチの竹の棒に包むようにくっつけ、白みそのソースで仕上げたものです。行った時は、既に売り切れていて残念ながら食べることはできませんでした。さらに、「あすけんぼう」にまつわる話として、使用している竹は、荒廃が進む山林で繁茂する厄介物の「女竹(めだけ)」を利用しており、メンバーらが山の手入れを兼ねて取りに行っています。あと特徴的なのは、先ほどの経営方針からもわかりますが、経営方式として、日給3600円(時給換算で450円程度)と儲けだけを追求しているのではなく、地域づくりなど社会貢献を兼ね備えたコミュニティビジネス的な存在と言えます。地域の魅力づくりのためにますますがんばって欲しいものです。そして、この23人の女性たちに続く方もどんどん出てきて(人材発掘しながら)欲しいものです。コミュニティビジネスについては、以前に書きましたコラム「コミュニティ・ビジネスを考察する」「講演「〜今、コミュニティビジネスが面白い!」を聞いて」をご参照下さい。

 話を旭町に戻しまして、旭町の平成14年度旭町21世紀商工振興支援事業は、私含めこれまで講演を4回開催していく中で、議論を固めてきて、ちょうどこの視察レポートが出る頃には、名古屋など都心部からのお客さんを招いて体験ツアーも開催されることになっています。今年度の成果を、来年度にも生かして行くということですので、いろいろな外部の方の意見も聞きながら、旭町の持っている素晴らしい資産というか資質をまちの方が自ら汗を流し、行動するという姿勢でまちの魅力を引き出して、がんばっていってもらいたいものです。

By Nagura

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