アルカミーノ(多面体型の商業集積) (日本・静岡)

視察日:1998年8月13日

 アルカミーノは、静岡県湖西市鷲津に1997年10月1日にオープンした個店の生き残りをかけた新しい試み・発想で誕生した商業施設です。JR鷲津駅から西南へ1キロ少し(徒歩で約15分)行った周りを住宅に囲まれた中にあります。近くの方はもちろん歩いて来られますし、駐車場も80台完備されています。アルカミーノイメージ

 約570坪の敷地の中央に蛇行した通路、パティオ(広場)を設け、その両側に店舗が張り付いています。店舗の建物はすべて六面体もしくは八面体(左の写真参照)の2層構造になっており、屋根は三角錐のとんがり屋根になっています。この多面体の組み合わさった建物が7つあり、建物と建物は2階部分ですべて回廊(一番下の写真参照)で結ばれています。
 ここアルカミーノには、ブティック、子供服、ランジェリー、フラワーショップ、和食、洋食、和菓子・洋菓子、フォトショップ、美容院など様々なお店が16店舗入っています。また、アルカミーノというネーミングは、「歩きながら買えるよ、見れるよ、飲めるよ食べれるよ」の頭文字を合わせたものからきているそうです。なかなかうまいネーミングと感心した次第です。

 行ったのは、午後1時過ぎくらいでしたが、天気予報では雨模様といっていたのにも関わらず、晴れていてけっこう蒸し暑かったです。駐車場には30台近くの車が停まっていましたが、さすがに暑いこともあり、パティオで寛いでいる人はいませんでした。ほとんどの方が店内に入っておられ、特に飲食店を利用されているようでした。私もぐるっと見てから和菓子・甘味処の「ひので軒」でアイスコーヒーを飲んで一息ついた次第です。ここのアイスコーヒーは、300円とお値うちでした。
 敷地的にはそれほど大きくなく、店舗も16店舗とそれほど多くはないのですが、それ以上の空間の広がりと奥深さが感じられました。特に空間レイアウトが素晴しかったです。1階部分の蛇行した通路とパティオによるお客さんを奥へと導く誘導、2階の回廊部分のわくわく感を感じさせるような路地を抜けるような迷アルカミーノイメージ路性と二人が肩を並べて通れるくらいの通路幅などなかなか心憎い演出がされていました。規模は違いますが、アメリカのカーメル(カリフォルニア州)で感じたような心地よさというか新鮮さ・新しい発見というものがありました。

 ここアルカミーノは、第一種住居地域内にオープンしたこともあり、周辺環境、景観への配慮もされています。
 大きな看板やサイン装飾はなく、住宅地にしっかりと溶け込んでいます。多面体の三角屋根という表現性豊かな建物そのものの芸術性が、看板の役割を果たしており、存在感を醸し出しているとも言えます。
 あと特徴的なのが、あらゆる方向に正面性を持たせるファサードデザインがされていることです。ここアルカミーノには入り口が5つありますが、どこから入ってもメインの入り口と思わせるマジックがされています。この話を聞いてピーンときた方もいらっしゃるとは思いますが、その大きな決め手となっているのが文頭でも述べました六面体もしくは八面体の多面体構造です。多面体というのは、すべてが正面になり得ます。

 アルカミーノの計画は、浜松市や豊橋市への日常生活以外の消費流出傾向、近郊・郊外への大型店の進出、中心商店街のますますの衰退化が叫ばれる中、話が進められました。大きな考え方としては「これからの個店の今後の生き残り策として各店舗が集まって共同で事業をする」「集落的発想のもと文化的なもの、味わいのあるもの、本質的に価値のあるものを見据えた商業施設を建設する」というものです。

 アルカミーノを歩いてみますと、個店としアルカミーノイメージてというか新しい商店街としての試みが感じられました。まさに地元密着型を狙った商業施設です。
 商店街の新しい試みと言えば、東京の亀戸にある「サンストリート」においても感じられました。
 今回、1時間近くいましたが、盆休みの暑い日の午後ということもあってか人の入りはいまひとつといった感じでした。しかし、帰りにアルカミーノの周辺を車で周りましたが、住宅が思った以上にありました。
 ここは観光施設ではありませんので、これだけ周りに住宅があるだけに(地元にしっかり根づいていけば)さぞかし平日に利用者する人が多いことと思われます。
 オープンして1年も経っていませんので、この段階で評価うんぬんはする時ではないでしょう。新しい商業施設・個店としての生き方としての起爆剤、元気づけるパワーの源として是非がんばってもらいたいものです。

 また、個店が生き残っていくためには、どこよりも増して接客というものが重要となってきます。先日、日経流通新聞(1998.8.13付)を読んでいましたら、接客特集が載っていました。その中で興味深いデータを少し紹介します。「あなたが思う良い販売員とは」という質問に対し、「商品知識がある(82.0%)」「買う時と買わない時で対応の仕方が変わらない(67.5%)」「売ろうとしつこくしない(67.3%)」「言葉使いが丁寧・マナーがよい(63.4%)」の順となっています。ざっと読みますと、何か当り前のこと自然のことと思われる方が多いのではないでしょうか。逆に考えますと、それだけしっかり接客ができているお店が少ないということでしょう。

 最後に話はまったく変わりますが、せっかく浜名湖近辺に行きましたので、名産のうなぎの話題で締めくくりたいと思います。
 うなぎはやはりうなぎ専門店で食べるのがうまいのですが、どこも込み合っていましたので、浜名湖レークサイドウェイの料金所すぐ横にあるハマナ・コスタで食べた次第です。1,600円の竹(うなぎの大きさの違う松は2,000円です)を食べたのですが、まずまずの味でした。やはり脂ののったこの時期はうまいです。
 今回紹介したいのは、実はうなぎそのものではなく、うなぎと一緒に付いてきた「からし椎茸」の佃煮です。これがうまかったです。うなぎのつまみというよりは、酒のつまみに持ってこいです。味は、しっかり煮込んだ椎茸とわさびが絶妙のバランスで混ざっており、ピリッと舌にくる感触がいいです。また、からしも付いており、好みによってつけて食べることもできます。しかし、個人的には、からしをつけるよりも、さらにわさびをつける方がうまいように思います。
 ちなみにハマナ・コスタの1階の売店で「手づくりからし椎茸」(200グラム入りで1,050円)が売られています。皆様方の中で行かれる機会がございましたら、是非味わってみられてはいかがでしょうか。さらに「手づくりからし椎茸」を買われる時に、わさびのピリリ感を増すためにふつうのわさび(180グラム入りで700円)も併せて買われることをお勧めします。ここで紹介した「手づくりからし椎茸」と「ふつうのわさび」は実際に買ってきて、今、私の酒のつまみとなっています。

By Nagura

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