今、入院患者や病院関係者の間に口コミで伝わり、不況に関係なく大ヒットしている商品に「週間投薬カレンダー」がある。開発者の斉藤辰雄氏は、「今年95才の母は、昼と夜の薬を飲み違えてたり、飲み忘れで困ったのが開発のきっかけです」という。

すでに特許庁より意匠登録証を取得しているこの商品は、縦に一週間の曜日、横に朝、昼、夕(4回分は寝る前)の表示があり、それぞれの欄には、塩化ビニールのポケットが取り付けられている。ポケット上部のマチには、十種類の薬が楽に入り、指先が思い通りに動きにくい高齢者などでも出し入れが簡単なように工夫されている。さらに、水性フェルトペンで退院日などのメモ書きができる。

デザインはいたってシンプルだが、斉藤さんの本業は、紙箱を作る会社の経営であり、医療の世界とは、全くの畑違い。商品の素材選び、商品PR、販路開拓などすべてが手探りのスタートであった。しかし、商品が業界紙に小さいながら紹介された時に大手薬品ディーラーに注目され、全国の病院や調剤薬局での販売ルートが確立し、着実に評判が広がった。今年は、大手通信販売や、デパート系での販売も開始した。

医師の指示通りに薬を飲めない高齢者に薬をきちんと飲ませるというテーマが生んだ「週間投薬カレンダー」は、まさにコロンブスの卵。高齢化時代に向けて、このようなコロンブスの卵はまだまだありそうである。