昨年4月に「容器包装リサイクル法」がスタートし、ペットボトルの分別収集が課題になっている。それにともない、回収に出す前にペットボトルをつぶす器具がいくつか商品化されて話題になっている。そんな中、掃除機を使ってペットボトルをつぶすというユニークな発想で商品化したのは、会員の石田裕章さん(東京都)である。

商品は、両端を先細りにした筒の太い方の口を掃除機のホースに差し込み、反対側の細い方をペットボトルの口に差し込み、掃除機でペットボトル内の空気を吸出すというものである。

製品その物は簡単な形状だが、完成までは様々な掃除機ノズルを試し、掃除機が故障しないか何度も検討した。さらにペットボトルも500本は試して、うまくいくとの自信を持って特許と意匠に出願。その後は、原料や金型を手配し、3ヵ月で発売にこぎつけた。ペットボトルのリサイクルは、いまや社会の関心事だけに商談も順調で、全国で販売されることになった。

日本のペットボトルは、急増の一途で、昨年は25万トン、約40億本が生産されたが、回収されたのはそのうち一割にすぎない。このような現状からすると、リサイクルの問題意識を確実に高める提案商品といえよう。ちなみにこの製品は、リサイクルのプラスティックによってできている。