企画発想からの発明
前回まで説明した内容で、発明家が利用するための基本的な企画書は作成できます。これで、このコーナーも一通りは終了しました。ただ、せっかく企画書に興味を持たれた方のために、その他の活用法についても説明しましょう。

●マーケティング情報は宝の山
今まで説明してきた企画書の活用法は、すべて発明があって、そこから利用するためのものでした。しかし、逆もできるのです。つまり、マーケティング情報を利用して発明の芽をつかむことができるのです。

発明品があって、その商品に関するマーケティング調査をしてみると、自分では予想もしなかった情報、もしくは興味のある情報があるものです。ただ、その情報は自分で考えていた発明品とは直接的に関係ないものだったり、逆に表に出しては不利になるようなものがあり、それらの情報は利用されることなく処理されがちです、しかし、その情報を利用すれば、新しい発明品を生み出すことができるのです。

発明に関する情報というものは、常に自分の周りに転がっているのです。情報を意識的に探すマーケティング調査で集めた情報であれば、価値ある情報を見逃さなくなります。すでに自分の発明がある中で、自分の発明の改良に使えるものなのか、発明に結び付くようなものであるのかを判断します。その時は発想が膨らまなくても、後々で手がける発明に役立つ可能性があるので、できればそれらをメモに残しましょう。

今まで、企画書は、発明を売り込むだけのものと捉えていた人が多いのではないでしょうか。しかし、その過程で得られる情報は、新しい発明の芽を生み出すのです。それを意識的に活用する発想法を持てば、充実したアイデアライフと商品化という結果が生まれます。皆さんには、ぜひ貪欲に企画書を利用、活用してもらいたいと思います。