「ヒット商品の隣を狙え」は、発明成功への定石である。例えば携帯電話がヒットすると、これに関連してアクセサリーやホルダーのアイデア商品が売れる。このように、一つの商品が社会に普及するとそれが受け皿になって、関連するアイデアが次々とヒットするのである。

最近のヒット商品といえば、パソコンであり、これに伴いCD-ROMが急速に普及している。CDは、大量のデータを文字、映像、音声で多様に収録できるので、DMにはまさにうってつけなのである。しかし、CDは、ケースやトレーに入れると定型規格の封筒に収まらないため定型郵便物にならず、郵送コストがかさんでいた。

小杉さんは、ここに目をつけ、プラスチックトレーの上下を切り、ジャケットに挟んだまま薄いPP製の封筒に入れてみると、定型郵便としてOKとなり、90円で郵送できるようになった。これは、一昨年に商品化されて以来、1,700万枚も売れる大ヒット商品となっている。

小杉さんは、紙専門に30年のキャリアを持つパッケージデザイナーである。デザイナーの本領を発揮して、あらゆるCDメールのデザインを研究しながら、特許や意匠で次々に独占化し、数多くの受注をこなしている。