スポーツ選手に関節痛や打撲傷、腰痛はつきものだが、これら運動痛を解消する特殊なテープが発明されて、関西地区で注目を浴びている。

工夫したのは、当会会員で整骨院を営む加藤主也さん。加藤さんは、柔道整復師や鍼灸師も兼ねてスポーツ選手の治療に当たっているが、どうすれば早く痛みを治せるか、といつも研究してきた。

ある日、加藤さんは、「患者の周辺の皮膚を指で少しつまんで持ち上げると、痛みが消えた」その微妙な変化を見逃さなかった。これは、痛みで緊張した皮膚や筋肉の圧力が抜けていることによるとわかった。この状態を保持するために、加藤さんは伸び縮みするテープを思いついた。テープは、生地メーカーに相談しながら超伸縮性合成繊維(縦250%、横180%の伸縮率)を作った。

加藤さんは、これをPASテーピング法と名付け、仲間の先生に試してもらうと、予想以上に好評である。PASテーピングは、テープの縦と横に戻る力を利用して、患者の圧力を抜く方法で、従来のテーピングとは全く逆の発想である。整骨の仲間達の口コミでまたたくまに広がり、関西のテレビでも紹介され脚光を浴びるようになった。

この実績から、医療メーカーのハートメディカル社が実施料卸値の5%で採用して、商品化が決まった。