発明ライフ大賞に応募して発明奨励金の交付を受けよう
今年も数十日を残すだけとなったが、発明学会としては記念すべき年であった。この一年間の「発明ライフ」にさっと目を通すと、成功例が毎号載っている。若い女性から主婦、そしてサラリーマン、老人と世代を越えて成功の輪は広がっている。これも、会員の発明レベルや売り込み方法が、確実に進歩しているからである。発明学会では、会員等に対して毎年「人生をエンジョイ発明ライフ大賞」として発明奨励金等の交付をしている。会員の皆さんも、自分のアイデア人生を楽しくする意味でも、積極的に応募してほしい。


「ネット付きクリーニングフキフキ」契約金15万円、顧問料3%で契約
女性にとって、一番身近な発明は台所用品である。毎日自分で働いている場所だから不便なところや、やっかいな所が良くわかる。
会員の主婦・島田さん(杉並区)は、フキン+タワシの一枚二役を効果的に実現した「ネット付きクリーニングフキフキ」を考案し、玉川衛材(株)と契約した。
この商品は従来の特殊パイル加工のフキンにネットを組み合わせ、油やヤニなどの汚れ落としが簡単にできるフキンである。
試作の完成度が高い点も評価され、実施契約金15万円と技術顧問料として卸価格の3%で契約を果たし、発売されている。


地獄という言葉で大ヒット商品に変身
別府温泉の商店主・平塚さんは、手品に使えるユニークなスポンジボール考案者。その平塚さんが儲けているのは、ウチワやTシャツ等のネーミングである。
別府には高温の「血の池地獄」や「釜土地獄」など7つの地獄があり、「地獄めぐり」として知られている。そこで彼は、7つの地獄の絵を描いたウチワやTシャツに「今日地獄に参りました」とネーミングを書いて売り出したところ、この商品は徐々に旅行者に売れ始めた。
ある日、友人にそのウチワを見せて自慢すると、友人いわく「今日どころか俺は毎日が地獄だ」という。それをきいた平塚さんは「これだ」と思って、さっそく「毎日が地獄です」と書いて売り出したところ、今度は爆発的に売れ出した。いまでは大ヒット商品として、25,000軒もの店がこの商品を売っているそうである。
あなたもネーミングを考えるとき、人々がどんなことを心の内で思っているかをみつけ、ネーミングにするのも一つの方法である。


企画書活用売り込みのすすめ(8)ソフト(企画)の伴わない発明は売れない!
前回、ライターの現況と問題点の認識を提示することで、発明提案の背景(売り込みの土壌)としました。ここから、いよいよ発明品の内容に入っていきます。ここで、まず気をつけたいのは、せっかくあげた問題点からいきなり発明品の内容に入るのではなく、それを活かす商品コンセプトをあげて発明品説明へとスムーズに関連づけた流れを作ることです。

新製品開発コンセプトの提案
前回までの問題点から導き出された従来にないコンセプト「安全」「安心」と、特許商品のもつ排他性を生み出し利益性が増大するキーワード「独占」を一項で説明し(図1参照)、次に商品の説明へと持っていきます。
この際、新製品開発コンセプトと商品説明の書類は極力一枚一枚に分けて書く。

[図1]

新製品開発コンセプトの提案

(安全)(安心)(独占)


新製品の提案
発明商品の説明に入るフロント頁は、商品の内容が伝わりやすいようなタイトルと機能とイメージ画を利用してくどくならないようにしました。また「特許出願中」という記載をいれておくことで、出願の有無を表わします。(図2参照)
「特許出願中」の記載は、端的に表わし、商品の魅力を感じさせる売り込みにおいては、文章で「くどくど」説明しないこと。
さらに、この商品のイメージを拡大する良いネーミングをつければ、より商品イメージも高まり効果的でしょう。

[図2]

新製品の提案

安全性重視ライター
チャイルドロックライター『oooo』(特許出願中)

機能 1.ガス漏れ防止機能付きライター
2.誤引火防止安全ライター



ここまでで、「背景」---「問題提起」---「提案」---「商品コンセプト」と流れ、いよいよ商品説明へと入っていきました。次回は、発明商品の説明のフロント頁に続く本文書類の作成をしてみたいと思います。


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